2026年7月1日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年7月1日

 習近平国家主席は、「中華民族の偉大な復興」、「台湾統一」を「中国の夢」の核心に位置づけ、国際秩序を中国にとり有利なものとすべく取り組みを強化している。習近平体制下、中国は「国家情報法」、「国防動員法」等を策定し、在外に住む中国人に対する監視を強め、影響力行使の法的根拠を用意した。台湾が20年に「反浸透法」を制定し、22年に「国家安全法」を厳格化した背景には、中国のこれら法的根拠制定もあったのだろう。

日本にも多い「中国人配偶者」

 翻って日本に目を転じると、25年末で日本在住外国人は約412万人、内中国人は約93万人で最多である。「中国人配偶者」の総人数は明確でないが、01年から10年までの間、夫日本人―妻中国人の婚姻数は、毎年1万組を超えていたが、11年以降は年数千件となっている。夫中国人―妻日本人の結婚数は年間千件前後である。

 恐らく日本に住む「中国人配偶者総数」は、台湾と同程度以上と想定される。彼らも中国の浸透工作「要員」または「対象」になっている可能性は高い。

 中国は、尖閣諸島だけでなく沖縄の領有も狙っており、また、高市早苗首相の国会での発言を活用して、日本に対しては様々な威嚇をしている。同時に、先般の総選挙時等に、「中国による世論工作」があったとの分析もある。

 この2~3年、台湾だけでなく、フィリピン、韓国でも、中国のスパイ活動容疑で逮捕される中国人、協力者等が増えている。日本でも浸透工作が活発化していることが懸念され、日本の安全と機微な技術を守るために「スパイ防止法」の早期制定は不可欠と考える。

 その一方で、日本を含む諸外国で自由や民主主義のない中国を変革しようと努めている中国人と、彼らを監視し、「力」で押さえつけようとする中国当局との戦いが繰り拡げられている。また日本在住中国人の中には、自由を求め、日本や日本文化に深い関心を有している人も多くいる。日本は彼らを守ることも必要である。

 日本在住中国人に対しては「警戒」とともに「配慮」も必要である。中国人への対応は、日本にとっても非常に悩ましい問題である。

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