ルペンは、国内の政治活動に従事する党職員の給与に欧州議会の資金を流用したことに主導的な役割を果たしたとして、昨年一審で有罪判決を受けた。その際、言い渡された5年間の公職就任禁止処分は、法的には認められるとはいえ、この厳しい罰則は、民主的プロセスへの介入であり、司法の権限の逸脱であると批判を浴びた。
控訴審判決は、ルペンの出馬禁止期間を大幅に短縮することで、そうした批判を封じる形となった。その一方で、控訴院はルペンの横領罪での有罪判決を支持し、懲役3年(うち2年は執行猶予)のうち1年間について、電子監視用タグの装着を命じた。事実上、裁判所は出馬するか否かの判断をルペン氏自身に委ねたことになる。
ルペンが政治化された司法の犠牲者であるという見方は、国民連合の支持者には受けるかもしれないが、フランス国民全体には支持されていない。最近の世論調査では、59%の国民が、彼女は他の一般市民と同様に扱われていると回答している。
選挙の第1回投票まではまだ長い道のりがある。対抗する中道派は分裂していて、新鮮な政策を掲げる有力候補の下に結束することに苦慮しており、国民連合は依然として有利な立場にある。
ルペンは時間を稼ぐことに成功し、投票日までに司法による最終的な審判を回避したいと考えているかもしれない。しかし、彼女の誠実さや国家元首としての適格性が選挙戦の最大の争点となることは避けられないだろし、投票日のわずか数週間前に最高裁が彼女に不利な判決を下した場合、彼女がどうするのかという点も焦点となるはずだ。
彼女は7月7日夜、テレビ局TF1に対し、「2027年に出馬できないような事態はあり得ない」として「破棄院が過ちを犯さないことを願いたい」と語った。
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破棄院と大統領選の見通し
控訴審判決では、ルペンが欧州議会資金を違法に流用した事実を認めつつも、実刑部分は、電子監視タグの装着による自宅拘禁とし、被選挙権停止については、立候補の自由と有権者の選択の自由に配慮して、ルペンに立候補の道を開いた。
上記の論説は、ルペンが自ら立候補し上訴したことをリスクのある賭けと見ているが、本人は引き続き無罪を主張しており、立候補できるとしても自宅拘禁のままでは効果的な選挙運動はできないので、上訴して控訴審判決を執行停止状態にする以外の選択肢はなかったとも言えよう。もちろん、最高裁である破棄院の判決のタイミングやその内容により、選挙に大きな影響を与えるわけで、大きな賭けであることは確かだ。
