夏休み、家庭で過ごす場合の体験格差対策は
体験格差を考える時、学童保育所を利用している子どもは恵まれていると言えます。所外活動を取り入れている学童保育所は珍しくありませんし、多彩なプログラムを用意している学童も増えています。
そして学童の異年齢集団の中で過ごす時間が非認知能力、社会性を育む機会となっています。夏休み限定で学童保育所の利用ができる地域ならば、子どもを学童で過ごさせることで体験格差を埋めることができるでしょう。
一方、待機児童になってしまって夏休みを留守番して過ごす子ども、あるいは学童の環境が苦手で自宅で過ごす方が好きだという子どももいます。夏休みの間、体験格差の不安を打ち消しながら家庭で過ごすにはどのような工夫があるのでしょうか。
筆者が勧めるのは2つ。まずは「地域の町おこしイベントに参加する」ことがあります。例えば筆者の地元(埼玉県上尾市)にある尾山台団地では毎月1回、「青空ひろば」というイベントがあり、地元のボランティア団体が異文化交流や伝統的な遊びを行って、老若男女の参加者でにぎわっています。子どもたちはイベントで遊ぶだけではなく、イベントを作る側としても参加できます。
そのような町おこしイベントは各地で行われているでしょう。イベントに参加するのはもちろん、イベントのお手伝いにも加わることができれば、子どもにとって絶好の体験機会となります。
もう1つは「読書」です。親子で書店や図書館に行って子ども自身が興味ある分野の本を手にすることです。書店、図書館には、「どういう本を選んだらいいのか」という相談に応じてくれる専門知識豊かな書店員や司書がいます。親子で「こういう本はどう?」と会話を重ねながら、書店を巡ったり図書館に足を運んだりして過ごす時間もまた、子育て世帯にとって貴重な時間です。
そして何より、「本」は、読者をそれこそいろいろな世界、場所にいざなってくれる素敵な「どこでもドア」です。ワクワクもドキドキも、本には詰まっています。過去も未来も、洋の東西も、遠い宇宙の別の星の世界でも、本を読むことで、子どもは実体験で得られる以上の体験を味わうことができます。
夏休みの読書と言えば「読書感想文」の苦い思い出がある方が多いかもしれません。強制的に読まされる本ではなかなか別の世界にいざなってくれませんが、興味関心のある本を親子で選び、親子で一緒に読むことで、子どもが抱く活字のとっつきにくさも少しは軽減できるでしょう。何より、読書つまり文章を読み、その文章が描く世界を味わえる読解力を手に入れることは、子どもの基礎学力を下支えする重要な能力です。
「ウチは貧しいから夏休みの体験格差では負け組だ」と嘆く前に、まずは親子そろって地元のイベントに足を運んでみる、あるいは子どもが気に入りそうな本を探してみてはどうでしょう。ネットを使って親子で一緒に事前情報を検索するのもまた子どもにとって役に立つ体験です。
体験格差は、決してごく普通の家庭で克服できない恐ろしいものでは全くありません。夏休みに親子で一緒に過ごす時間で、親子が一緒に取り組むあらゆることがあれば、子どもの体験格差など何ら恐れることなどないでしょう。
