2026年8月7日(金)

トランプ2.0

2026年8月7日

「民主党はトランプから白人労働者を取り戻さないと勝てない」

 経済誌フォーブスの「世界長者番付」2026年版によれば、トランプの純資産(推定、以下同)は約65億ドル(約1兆230億円、1ドル=157円で換算、以下同)である。ここ1年で14億ドル(約2200億円)増加させたと言われている。

 これでは、米国民のために働いているというよりも、「大統領の職を私的な利益のために利用している」と非難されても当然だ。通常、大統領職に就いた人は、利益相反を回避するために、企業の株や資産を売却するのだが、トランプは売却せずに子供たちに管理させている。彼らは、J.D.バンス副大統領や側近と近い関係にあり、情報を入手し易い。

 ちなみに、スコット・ベッセント財務長官の純資産は、約6~7億ドル(約940億円~1100億円)、赤澤亮正大臣と関税交渉をしたハワード・ラトニック商務長官の純資産は、少なくとも約22億ドル(約3460億円)と見られている。

 トランプやトランプ政権の閣僚たちのような超富裕層は、物価高に影響された生活を強いられることはなく、一般の米国人が抱えている生活上の苦痛を理解しようと感情移入をすることもないのかもしれない。少なくとも、トランプの言動を観察しているとそう思えてならない。トランプの口からは「米国民の苦痛を理解している」という言葉は出てこない。

 経済に関する米国民の不満は、中間選挙における民主党の追い風になっており、同党は「アフォーダビリティ(手の届く価格)」を争点の中心に置いて選挙戦を戦う機会を得ている。それをうまく活かせば、2024年米大統領選挙でトランプに奪われた中・低所得者のヒスパニック系(中南米系)やアフリカ系の票を取り戻せるかもしれないのだ。

 しかし、民主党の支持者の中には、より冷静で厳しい分析をしている者もいる。例えば、2012年米大統領選挙で当時激戦州として注目を浴びた南部バージニア州フェアファックスにあったオバマ選挙対策事務所の責任者がそうだ。彼は、「民主党はトランプから白人労働者を取り戻さないと勝てない」と言うのだ。

 もちろん、中間選挙の投票用紙にトランプの名前は載っていないのだが、トランプが支持した共和党候補を破るには民主党は白人の労働者票が必要であると、彼は考えている。民主党は、今秋の中間選挙および2028年米大統領選挙で、共和党から白人労働者を奪い返せるか否かが勝利の鍵を握る――と。


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