2026年8月18日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年8月18日

 中国は南シナ海におけるグレーゾーンの威圧行動に海警局の艦艇を使用しているが、一般論として、これに対抗するために沿岸警備隊のカッターを使うことは一つの知恵だと考えられる。しかし、6隻のカッターは小型艦でその能力ははっきりしない。その運用期間が少なくとも9月までとされている意味も分からない。

 部隊の移動を公表した7月15日付けの沿岸警備隊の新聞発表は、その具体的な狙いについての記述を避けている。今後明らかになるであろうこの部隊の活動の実態に関心が持たれる。

阻止すべき中国の動き

 南シナ海で中国が既成事実を積み上げることは是非とも阻止する必要がある。その観点で、7月12日にフィリピン、米国、日本を含む14カ国が南シナ海に関するフィリピン・中国仲裁判断の10周年に際して共同声明を発表し「南シナ海における中国の拡張的な海洋権益に関する主張には法的根拠がないという仲裁裁判所の判断を再確認する」とともに、中国の威圧的行動に反対を表明したことは、時宜にかなった措置だった。

 主要7カ国(G7)の中ではフランスが参加国から欠落している。フィリピンは別として東南アジア諸国連合(ASEAN)から一国も声明に参加していないが、それだけ中国の報復を怖れているということであろう。

 なお、Economist誌が、中国の海上民兵が台湾北方の東シナ海で昨年12月に1000隻を超える海上民兵とおぼしき漁船が集結して海上にL字型の壁を作り、12時間を超えてこれを維持した後解散する不可解なマヌーバーを行ったこと、同様のマヌーバーをその後数カ月のうちに4回行ったことを報じている。台湾侵攻あるいは台湾封鎖を想定した行動かもしれない。

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