2026年8月31日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年8月31日

 Yablokoの反戦キャンペーンはロシアの分裂している野党の指導者からの支持を得ており、彼らは9月にYablokoに投票し、反戦感情の強さを示そうと呼びかけている。これはソ連崩壊の時の90年代初期ではないにしても、少なくとも2011~12年の反プーチン抗議以後、最大の幅広い反クレムリン連合である。

 プーチンはパニックに陥った。クレムリンがいかに選挙を誤魔化し、投票の数え方を操作するのに長けていても、何百万にも達し、2桁台の支持を得る反対を隠すことは難しい。クレムリンは緊急危機管理に乗り出した。

 クレムリンの傀儡で急いで作られた超民族主義政党Rodina(祖国)は、色々と馬鹿げた理由を挙げてYablokoを選挙から排除する申し立てをした。Rodinaの指導者、下院議員のアレクセイ・ジュラヴレフはYablokoを西側のために働く「国家反逆者の党」であると言っている。

 9月の投票では、戦争賛成党しかいないので、クレムリンはウクライナ攻撃を国民は支持していると主張するだろう。しかしそれを信じる人はほとんどいないだろう。Yablokoは投票用紙から取り除かれたが、何百万のロシア人は戦争に反対であり、プーチン政権がこの現実と再び向き合うことになるのは時間の問題である。

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「特別軍事作戦」から「戦争」に

 カラ・ムルザはロシアの反体制派の人で、今は英国に在住しているが、ロシアの国内情勢についてよくフォローしている人である。

 ロシア国民は、ウクライナ戦争の開始当初からこの戦争を支持していないように思われる。なぜプーチンがウクライナ侵攻を「戦争」と言わず、「特別軍事作戦」と称したかといえば、短期間でウクライナ政権を倒し、ウクライナ全土を制圧下に置くことが可能であるとの見通しを持っていたからである。

 ウクライナ侵攻に踏み切ったのは、2014年、プーチンは兵士を一人も失うことなく、クリミアをウクライナから奪うことに成功した体験があり、その再現が可能であると判断したからだと思われる。ウクライナ戦争の初期に、ロシア国内でウクライナ「戦争」と言った人は容赦なく逮捕された。プーチンは、動員などで国民に迷惑をかける気はないということで、軍だけが巻き込まれる特別軍事作戦であると言い張った。


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