他方、ウクライナ側は自衛のための戦争であり、兵士の士気も高く、よく戦い、ロシア軍だけでウクライナを屈服させることはできないことが明らかになった。それで、プーチンは30万人の部分動員令を出したが、結果としてロシアの若者約百万人がロシア国外に逃れるという結果になった。
ロシア国民に対する総動員令を出せば、若者はさらに国外脱出を図るであろう。プーチンには総動員令は出せないと見てよいだろう。ロシア国民は、この戦争をプーチンの戦争と考えており、自らの戦争とは考えていないと言ってよい。
高まるYablokoの存在感
カラ・ムルザが言うようにそのような状況の中で、唯一のウクライナ戦争終結を訴えるYablokoへの支持が大きくなっていることはプーチン政権にとって脅威であると考えられる。プーチンがYablokoを9月の議会選挙から排除したのは、追い詰められたプーチンの苦渋の決断であると思われる。
Yablokoは90年代にヤブリンスキー、IMEMO(ロシアのシンクタンク『世界経済国際関係研究所』)にいたルキン、イリナ・ハカマダ(ロシア専門家として有名な袴田茂樹名誉教授の異母妹)らが中心になって設立した、民主主義を重視する小さな政党である。Yablokoが、ウクライナ戦争を終わらせることを主張する唯一の政党として今、大きな成長を遂げているのは望ましいことである。2年前、北極に近い刑務所で不慮の死を遂げたナヴァリヌィも一時Yablokoのメンバーであった。
Yablokoが政治的に重要な役割を果たすロシアは、今よりもっと民主主義的な国となり、対日関係についても、北方領土問題で柔軟な姿勢を示すだろうと考えている。
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