頼みの綱はやはりトランプ
こうしたネタニヤフ首相にとっては頼みの綱はトランプ大統領との強固な関係だ。両者の関係は首相が大統領のガザ和平計画を拒否したことなどから一時ギクシャクした。しかし、大統領は11月3日の中間選挙で支持基盤であるキリスト教徒右派の支持を固めるため首相への全面支持を発表、ヘグセス国防長官をイスラエルに派遣し、首相と会談させた。
ネタニヤフ首相にとってもうれしい援護射撃だ。首相はイラン・イスラム政権打倒を遊説で強く訴えている。トランプ大統領は中間選挙後にイラン攻撃を再開する可能性を示唆、ネタニヤフ首相とも電話会談して両国で攻撃する準備を整えているとみられている。
だが、ここでネタニヤフ政権を揺さぶる事件が起きた。パレスチナ自治区ヨルダン川西岸で、過激なユダヤ人入植者グループが17日、西岸を訪問中だった欧州の外交官や米ワシントン・ポストの写真記者を襲撃したのだ。
西岸はオリーブの収穫時期を迎えており、ユダヤ人入植者はパレスチナ人襲撃を繰り返している。これまで80件以上の暴力事件が発生している。
入植を推進するネタニヤフ首相は当初、事件の動画を見せられても「実際に何が起きたか不明」と重視しない姿勢を示し、首相事務所も「イスラエルに打撃を与えるための陰謀の一環」とする声明を発表した。だが、駐イスラエル米大使が「テロ」と強く非難、フランス外務省も厳しい声明を出した。
首相は事件が選挙に与える影響やトランプ大統領との関係も考慮し、18日には襲撃犯のユダヤ人入植者10人を逮捕した。入植を推進する右派勢力から反発の声も上がっており、首相支持に揺らぎがみられるのかが注目される。
