2026年10月29日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年10月29日

 このまま北朝鮮の保有する核兵器数の増加を手つかずにし、ロシアの支援を得た高性能ミサイルの開発に手をこまねいているよりは、まずは現時点の北朝鮮の能力を「凍結する」という考え方には、一理あるが、手を付けるべきは、いまだに核兵器を保有していない国の核兵器国化を確実に止め、核拡散に歯止めをかけることだろう。また、イラン戦争では、核の問題を解決しなければホルムズ海峡の問題も解決しないので、その意味でも、米国は、まずはイランの核兵器問題の解決に注力すべきであろう。

日本にとっての大きな脅威

 次に考えるべきは、北朝鮮との関係で米国はどこまで梃を持っているのかである。以前であれば、核兵器国であることを認め、それに応じて制裁を段階的に解除するのは、北朝鮮にとってプラスだっただろうが、今や北朝鮮は、ロシアに兵員を送ることで大きな金銭的見返りを得ているはずで、最新ミサイル技術でさえロシアから入手している。

 もちろん核兵器国として認められれば、米国による脅威が減少すると言う面はあるが、例えば、第二段階の「縮小」が上手く進まなければ、再び制裁が導入され敵対的態度が復活する可能性はあり、北朝鮮が大きな譲歩をするかは不明である。そうなると、この社説が恐れるように、在韓米軍の撤退を含む取引がなされる可能性が高まる。

 最後に来るのは、韓国の核兵器国化である。北朝鮮の核保有を米国が認め、制裁も緩和し、在韓米軍が縮小されれば、自前の防衛力強化という議論が台頭してくる可能性は相当あるだろう。これは、日本にも大きな影響がある。

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