19世紀末、最後に開催された第8回印象派展が誕生の舞台となった「新印象派」。そのとき注目を集めたのが、点描技法を駆使し明るい色彩を際立たせたスーラの大作「グランド・ジャット島の日曜日の午後」だった。
ジョルジュ・スーラ 《セーヌ川、クールブヴォワにて》1885年 油彩、カンヴァス 個人蔵 ©Droits Réservé
この色彩表現が、強烈な原色に象徴される20世紀初頭のフォーヴィスムへと導かれるまでの約20年間の流れに注目したのが、現在あべのハルカス美術館で開催中の展覧会「新印象派─光と色のドラマ」だ。
会場にはパリのオルセー美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館など、世界12カ国の美術館や個人所蔵のコレクションから、約100作品が集結。印象派のモネに始まり、新印象派のスーラ、シニャック、そしてフォーヴィスムのマティスやドランへと、24人の画家の作品を年代を追って展示。その光と色彩表現の軌跡をたどることができる。
新印象派の技法の基となった色彩理論や作品の制作にまつわるエピソードも興味深い。画面に規則的に置かれた色の点が、観る人の目の中で混ざり合って、揺れる大気や輝きとして感じられたり、補色によって明るさの効果を高めたりする技法を、改めて解き明かしてみたい。
新印象派─光と色のドラマ
<期間>10月10日~1月12日
<会場>大阪市阿倍野区・あべのハルカス美術館(大阪環状線天王寺駅下車)
<問>☎06(4399)9050
http://neo.exhn.jp/
*情報は2014年9月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください
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