これがはっきりわかるのは、割れた粒の混入率です。粘りがないことから割れ米が多いと、調理しても割れた部分が硬くザラザラと感じます。しかし、割れた粒が入っていない長粒種は、ザラザラ感がなくコメを良く味わうことができます。
タイやベトナムなどのアジアの長粒種は、フィリピンにある国際稲研究所が開発した品種や、その品種を元に改良したものを種子として生産しています。これらは反収も高く年間3回の栽培が普通に可能です。
それに対し新潟産長粒種はキリンビールが開発した品種で、日本では年1回の栽培になるため、反収もあまり多くはありません。キリンビールが稲の育種事業から撤退するときに、純国産インディカ米としての安心感も製品の「売り」になるとの判断から、品種の独占利用契約を結び「大潟ナショナルカントリー」が、その生産と販売を行っています。
専務理事の山口正雄さんによれば、現在は東京都内の高級スーパーや外食用として、年間約5トンを生産しているとのことです。販売単価はこの品種の反収が多くないことや、精米時に割れた粒が多く発生することもあり、コシヒカリと同じレベルになるとのことでした。しかし、新しい品種としての付加価値や「ストーリー」を乗せてお客さんへの提案を行うことで、生産と販売を拡大できると自信を持たれていました。
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