テレビのニュースには拾われないかもしれないけれど、ネットの一部で盛り上がったあの話題。知りたい人へお届けします。
「ブルーボトルコーヒー」の来日に2時間半の行列
2月6日、アメリカ西海岸を中心に展開しているコーヒーチェーン「Blue Bottle Coffee(ブルーボトルコーヒー)」が、東京・清澄白河に初進出した。
オープン当日にはコーヒー好きが集まり、最大で2時間半ほどの行列を作った。先頭の人は深夜3時から開店を待っていたという。ここまで長蛇の列を作ることになった理由には、同店が「サードウェーブ」と呼ばれるコーヒーの次世代トレンドを押し出した店であることや、「アメリカ以外では日本が初」という、一見希少価値が高いように見える情報がメディアやSNSで広がったことなどが挙げられる。
スタバを中心に飽和状態となった現在のコーヒーのトレンド(エスプレッソを主流にさまざまなアレンジを楽しめる大衆的コーヒー文化)から脱却したカフェやコーヒーショップを期待する人が多かったのは事実かもしれない。消費者に「飽き」が訪れるスピードは日々早くなってきているし、「スタバよりもおいしい店」を探している人がいるとしたら、ぜひ飲んでみたいと思うのだろう。
しかし「サードウェーブ」に定義される「こだわりの豆を一杯一杯手淹れで、浅煎りするのが主流の地域密着の店」というコンセプトに魅力を覚えているのならば、それは既に日本の古くからの「喫茶店」のかたちとも言える。実際、「ブルーボトルコーヒー」の創業者であるジェームス・フリーマン氏も、創業するにあたり日本の喫茶店にも影響を受けたことを明らかにしており、海外初進出の店舗が日本となった理由の一つも、そこにあると言われている。
「ブルーボトルコーヒー」も影響を受けたとされる日本古来の良質な喫茶店がいくつもあるなかで、それでもあえて多くの人が「ブルーボトルコーヒー」に並びたいと思うのは、「ブルーボトルコーヒー」がアメリカで一定以上の評価を得たうえで「日本第1号店が、世界進出初店舗」という「話題性」があるからだ。「コーヒー好きとしては、ここは行かなきゃならない!」と消費者は奮い立ち、寒空の下、長い行列を作るのだろう。