2022年10月6日(木)

中島厚志が読み解く「激動の経済」

2015年2月25日

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中島厚志 (なかじま・あつし)

新潟県立大学国際経済学部 教授

東京大学法学部卒。日本興業銀行入行。パリ興銀社長、みずほ総合研究所調査本部長、経済産業研究所理事長などを経て2020年4月から現職。主な著書に『大過剰 ヒト・モノ・カネ・エネルギーが世界を飲み込む』(日本経済新聞出版社)。
 

【図表5】日米:製造業・非製造業営業利益増減率の推移
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 この日本経済のアップダウンの激しさの一因は、日本経済がショックに弱いことにある。ショックとは、東日本大震災といった避けようがない自然災害もあるが、ITバブル崩壊、リーマンショック、超円高などである。その上で、経済成長を支える企業の収益や家計所得が安定していないこともショックの影響を大きくしている。

 日本の企業収益がショックに弱いことは、製造業収益の変動の大きさからも見て取れる(図表5)。それは、米国製造業企業の収益増減率と比べても、とりわけリーマンショック以降際立って大きい。また、賃金が大きく増減して安定しない状況では、消費が安定的に伸びるのも難しい(図表6)。

【図表6】主要国・地域:実質賃金増減率の推移
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 さらに、2000年以降のマネーサプライ増分がどこに向かったかを見ても、多くは国債・財投債や海外に向かっており、企業や家計には向かっていない(図表7)。企業と家計に資金需要が乏しければ、日本経済は安定成長が持続しにくく、企業収益と消費の拡大が支える好循環経済にたどり着きにくくなる。

【図表7】金融資産増の内訳
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