Wedge REPORT

2015年6月9日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

Q 西オーストラリアで進めているLNG(液化天然ガス)プロジェクト(イクシス)の進展状況は

A 16年末までに生産開始する目標で進めている。3月時点で進捗率は約68%で、少し遅れているが、想定している範囲内だ。世界的にも大型のLNGプロジェクトで、必要となる設備は世界の十数カ所で建造され、最終的に生産操業現場に運び込まれ、それらを一つに組み立てる作業が行われる。このため、リスクフリーではなく、遅延したり、コストがかさむといったリスクは常に存在するものと承知しているが、いまのところ想定していた幅の中に収まっている。 

韓国の造船会社で建設が進むイクシスの沖合・生産処理施設

Q 原油価格の値下がりでプロジェクトの採算に影響はないか

A いまの1バレル=60ドルの水準で採算面は全く心配していない。イクシスLNGプロジェクトがフル生産する予定の2017〜18年ごろの原油価格の予測は難しいが、いまより緩やかに上がるとみるのが、専門家をはじめとする大方の市場関係者が見ている見方だ。様々な経済条件を前提に十分検討して2012年に投資決定をした。現在の油価水準でも十分な経済性が確保できている。

イクシスの海上掘削リグ

Q イクシス以外での投資案件は

A インドネシアの東方でアバディLNGプロジェクトを進めている。2000年にガス田を発見したが、リモートエリアに位置するため、船の上に液化設備を搭載してLNGを出荷するフローティングLNG方式を採用した開発計画を検討しているが、昨年、当初想定したガスの埋蔵量が相当増加することがわかった。これにより、現在大型のフローティングLNGを有力候補に開発計画の最適化を検討している。

 アバディはイクシスが生産のピークを迎えたころに本格的な開発作業が始まることを期待しているため、スケジュール的には資金の負担、人材の使い方を考えると一番良いタイミングであろう。2020年まではシェールガスの影響もありLNGはやや過剰かもしれないが、そのあとはLNG需要が伸びると予想されているので、その時にアバディからLNGが供給できれば理想的ではないか。

建設が進むイクシスの陸上ガス液化プラント

  
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