画家、絵本作家、装丁家など、多彩な創作活動で知られる安野光雅。絵本作家としてのデビュー作『ふしぎなえ』など独創性あふれる作品で、世界各国に幅広いファンを持つ。今夏、安野光雅の代表的なテーマ、旅先での風景画のなかでヨーロッパに焦点を当てた作品展が開催される。
会場を飾るのは、出身地の島根県津和野町にある安野光雅美術館が所蔵する、約100点の水彩原画。昭和38年(1963)、37歳で初めてヨーロッパを旅して以来、描き続けてきた風景画が一堂に会する。偶然目にした山間の村を描いた「南フランスの田舎 アレー」から、スイスを代表する名所「マッターホルン」まで、作品を通してヨーロッパを巡る旅が味わえる。
また、「アビニョンの橋の上で」(フランス)や「ゴンドラの唄」(イタリア)など、名曲が生まれた土地や風景をテーマにした、誰もが知っているモチーフが描かれた数々の風景画や、全8巻が出版された『旅の絵本』シリーズの原画も紹介される。
高所からの視点で緻密に描かれた町並みや自然の風景の中には、童話や歴史の一場面が、さりげなく配される。そんな遊び心ある仕掛けを探すのも一興だ。
旅情たっぷりの安野光雅ワールドに、足を踏み入れてみたい。
旅の風景 安野光雅 ヨーロッパ周遊旅行
<期間>2015年7月7日~8月23日
<会場>東京都新宿区・東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(中央線新宿駅下車)
<問>☎03(5777)8600
http://www.sjnk-museum.org/
*情報は2015年5月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください
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