スペインのマドリッドにあるプラド美術館は、歴代のスペイン国王が収集したコレクションで知られる。今秋、その所蔵作品から、15~19世紀のヨーロッパ絵画史を彩った巨匠たちの名作の数々がやってくる。
© Archivo Fotográfico, Museo Nacional del Prado. Madrid.
今回スポットが当たるのは、プラド美術館のコレクションの中でも「小さなサイズ」の作品。スペインの三大画家と称されるエル・グレコ、ベラスケス、ゴヤをはじめ、ボスやルーベンス、ムリーリョなど、さまざまなジャンルやテーマの作品が展示される。なかには、作品保護のために公開が制限されている35点の板絵など、貴重な作品も出展される。
エル・グレコの「受胎告知」や、ゴヤが個人の礼拝用に描いたとされる「トビアスと天使」、国王カルロス3世の首席宮廷画家、メングスによる王太子妃の肖像画「マリア・ルイサ・デ・パルマ」など、見ごたえのある作品が並ぶ。
また、世界に20点程度しか現存しないというボスの作品からは、「愚者の石の除去」が初来日を果たす。「愚者の石」とは錬金術の「賢者の石」のパロディーで、漏斗(じょうご)をかぶった偽医者や頭に書物をのせた女性など不可思議な光景が描かれている。珠玉の名作を通して、スペインの国王が愛した美の世界を味わってみたい。
プラド美術館展─スペイン宮廷 美への情熱
<開催日>2015年10月10日~2016年1月31日
<会場>東京都千代田区・三菱一号館美術館(東海道新幹線東京駅下車)
<問>☎03(5777)8600
http://mimt.jp/prado/
*情報は2015年8月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください
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