8月24日付の米ニューヨーク・タイムズ紙で、著名な経済学者である米プリンストン大学のポール・クルーグマン教授が、世界経済の攪乱の原因は世界的な金余りである、と論じています。
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すなわち、8月21日金曜日のニューヨーク株価の暴落の原因は何だろうか。
米経済の現状は悪くないが、世界経済は過去7年、住宅バブルの崩壊とそれに続く銀行危機、欧州の負債危機と不況、中国や他の新興市場の問題と、次々と危機に見舞われた。
これらは関係のない一連の出来事ではなく、投資機会があまりにも少ないために金が余っている時に起こる現象である。
かつてバーナンキ元FRB議長は、米国の住宅ブームは外国経済が弱いから起きたと言ったが、それは今でも正しい。
同様に、ドイツや北欧諸国からスペイン、ポルトガル、ギリシャに大量の金が流れ、バブルを生み、やがてバブルが崩壊し、ユーロ危機をもたらした。
欧米の魅力が衰えると、余った世界の金は新興市場に向かい、たとえばブラジルの通貨レアルは維持不可能な高さに達した。そのバブルがはじけ、今新興市場は、1990年代のアジアを思い出させる危機の最中にある。
なぜ世界的金余りなのだろうか。
おそらくいろいろな要因が絡んでいるのであろう。
人口の増加は世界的に減速している。
最新の技術は生産性の飛躍的向上や投資につながっていない。