アメリカで認証・認可を取得することの有用性
日系企業のサポート側に立つJETROの川渕氏は、まず、中国の経済が曲がり角に来ていること、また、今後はアメリカの経済が伸びていくことを予測する。そして、認証や認可の取得について認識する日本人が少ないことを指摘した。「マーケティングも大切だが、アメリカ市場でチャレンジする必要十分条件がこなせていないという状況だ」。
たとえば、「食品ならFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を取得すると購買チャンスが拡がるが、認可がなければ商品の販売チャンスが皆無に等しい」。さらに、アメリカの規格は高い水準にあるため、その規定をクリアしていることで、アジアなど他国でビジネスがやりやすくなることも挙げた。
だからといって、UL(安全機関および、そこが発行する安全認証《UL認証》)、FDA、NSF(食品や飲料水に係わる製品を対象とした安全基準)の規格をすべてクリアした後で、実は2つだけの取得でよかった、という無駄なケースもある。「このような情報提供を含むビジネス・ディベロップメントのサービスも、無料で行っている」。このようにJETROでは、日本から進出する企業のサポート体制が整っていることを川渕氏はアピールした。
加えて、チャレンジする企業が、アメリカ市場は壁が高いが非常に意味がある市場であると認識することが重要であり、「アジアでは儲からないからアメリカに来た、というような中途半端な事例は失敗することが多い」という事例も紹介した。
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最後の質疑応答では、「MBAを取得するための学生時代に得た人脈が、今、ビジネスでどのように活かされているか」に対して、本田氏がこのように締めくくった。「常にコントリビューションを意識すること」。金脈だと長続きしない。
しかし、「この人のために何かできないか」「この本があの人のためになると思ったから、本を贈る」などが、本田氏のスタンスにある。参加者の起業家女性からは、「これまで同業者のみのトークショーが大半だったので、異業種の人たちの話が聞けて、とてもよかった」という声などが聞かれた。次回のトークショーもすでに計画中なので、さらに期待がかかる。
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