定年バックパッカー海外放浪記

2015年12月20日

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 話を戻す。浦項市の市街地の坂道を自転車で下っていると煙突に温泉マークが描かれているのが目に入った。温泉かと思い近づいてみるとタオルを持った人たちが建物に入ってゆく。煙突をよく見るとハングル文字で「モギョクタン」とある。“沐浴湯”すなわち銭湯である。料金も5000ウオン、つまり日本円で500円超だ。まだ朝の11時で時間的に余裕があるので一風呂浴びることに。韓国の沐浴湯は日本の銭湯と似ているが三つ異なる点がある。かならずサウナ風呂があり大きな水風呂がある。また床屋が内部に併設されており風呂上りに散髪している。さらに垢すり台があり、そこにねそべって三助に垢すりをやってもらうのである。

 浦項の沐浴湯は平日の昼というのに賑わっていた。思うに浦項製鉄の社員が夜勤明けに汗を流しに来ているのであろう。湯船に浸かっていると窓から海がキラキラと陽光に輝いており涼風が心地よい。

浦項市街の沐浴湯の入口、ハングルでサウナ・ヘルスと書かれている

浦項製鉄所の夜景を見ながら

 銭湯から上がって高台から臨海方面に下ってゆく。湾を挟んで製鉄所と反対側のビーチに出る。昼食に海辺の食堂で鯛のムルフェ(海鮮鍋のようなもの)を食べる。

 韓国の東海岸(つまり日本海側、韓国側は“東海”(トンヘ)と呼称)では海岸沿いの町や村では必ず海辺に“あずまや”を建てて住民の憩いの場としている。昼間は年寄りやおばさんたちが集まってお茶を飲んだりお菓子を食べたりしている。

 きれいなビーチに“あずまや”があったのでテントを設営した。夜半に雨が降っても屋根があるので安心である。日が暮れてあたりが暗くなると対岸の浦項製鉄所がライトアップを始めた。最初は高炉周辺だけであったが8時を過ぎると製鉄所全体がライトアップされ巨大なテーマパークのように浮かび上がってくる。ネオンサインのように色が変わったり点滅したり幻想的である。何万人もの作業員が働いていて一日に数万トンの鉄鋼を生産しているとは思えない静かでファンタジーな光景である。

浦項製鉄所のライトアップされた夜景。隠れた観光名所とのこと

⇒第6回に続く

  
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