2024年11月21日(木)

Wedge REPORT

2016年5月23日

 まずは無料のスマホアプリをダウンロード。免許の表裏両面と、自分の顔写真を送ると、免許の写真と自動でマッチングを行い、本人認証を行う。あとは、支払い用のクレジットカードを登録すれば登録が完了する。

BMWカーシェアサービス「ReachNow」のスマホ画面。今年4月にシアトルでサービスを開始した


従来のレンタカーとは異なり、街中に駐車してある車を直接借りることができる(上のスマホ画面参照)。借りたい車が見つかったら、スマホから無料で予約ができる。そして駐車場所で車を見つけると、鍵の代わりとなるのは「スマホ」だ。

 スマホアプリから車の鍵を開け、車に乗り込む。車に乗ってから1分単位での課金となり、サービスエリア内であれば「どこでも」降車が可能というのも特徴だ。ガソリン代、保険、パーキングメーターなどは料金に含まれており、気軽に利用できる。現在は登録無料、1分あたり41セント(約45円)で利用ができる。12時間使って最大80ドル(約8800円)となっている。

 最近大手自動車メーカーが展開しているカーシェアサービスは、このように、自分の好きなメーカーの車を、1分単位から借りられて、しかも、どこでも乗り捨て可能という便利なサービスだ。

 しかし、こうしたサービスの提供は、自らの本業である自動車の販売にマイナスの影響を与える可能性もある。なぜ自動車メーカーは、自らこうしたサービスを提供するのであろうか。

米国では2015年のビジネスにおける出張時の交通手段として、Uberがタクシーを上回った
(写真・MASATAKA NAMAZU)

 その背景には、欧米を中心に急速に進む「シェアリング系」サービスの普及がある。まずは、Uber、Lyftなどの「ライドシェアリング(以下、ライドシェア)」が挙げられる。日本では規制の問題があり、まだサービス自体もスタートしていない状況だが、米国ではすでにタクシーなど既存のサービスを脅かすほどに普及を始めている。


経費精算ソフトのCertifyが公開したデータによれば、15年のビジネスにおける出張時の交通手段として、Uber(41%)が、タクシー(20%)とレンタカー(39%)を上回った。最近では全米ほとんどの空港でライドシェアの乗り入れが可能となっている。


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