英国で5月にあったロンドン市長選で、野党・労働党のサディク・カーン氏が、与党・保守党のザック・ゴールドスミス氏に勝利し、イスラム教徒初のロンドン市長となった。
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ゴールドスミス氏はユダヤ財閥出身でイートン校を薬物使用で中退した。カーン氏は人権派の弁護士でパキスタンからの移民を親に持つ。専門家は、ゴールドスミス氏の差別的な発言が裏目に出た一方、カーン氏の経歴がロンドン市民の“革新性”という気風にマッチしたとする。
ゴールドスミス氏はカーン氏の過去を持ち出し、イスラム教の過激派と結びつけるイメージ戦略を展開。保守層に訴えかける戦略に出た。保守党の選挙参謀、リントン・クロスビー氏の振り付けによるものだが、この狙いは裏目に出た。労働党は、保守党が「イスラム嫌い」のキャンペーンをしていると大批判を展開した。だが特定宗教や人種を批判する戦術は、失敗するのが通り相場だ。