巡礼の成否は食料調達計画にあり
午後4時前、ジェフのおかげでMonistrol d’Allieという村落の巡礼宿に到着。二日目の移動距離は19kmであった。巡礼宿は素泊まり13ユーロなり。途中の村落の雑貨屋で仕入れたチーズ、サラミと赤ワイン(1リットル1.75ユーロ)と残り物のバゲットで夕食。
食事提供のない巡礼宿では簡単なキッチンが付いていることが多く、食材さえあれば結構豪華な夕食を作ることは可能である。しかし片田舎の集落の雑貨屋では食材は限られており、普通はせいぜい地元産の若干の野菜・トマト・果物、それにワイン、パスタ、缶詰、チーズ、ソーセージ程度。
しかも雑貨屋の営業時間は平日がお昼の休憩数時間を挟んで朝数時間と午後数時間のみ。土曜は午前のみ。日曜・休日は閉まっている。焼き立てのバゲットなどは専門のパン屋でしか入手できないがパン屋の営業時間は雑貨屋以上に限定的である。
食料は買い溜めすれば相当な重量となるので、できるだけ軽くするために常に一両日先の行程において、いつ何を食べるか考えたうえで、いつどこで何が買えるかガイドブックや地元の住人に事前確認して営業時間にお店に到着するように歩くことになる。
そもそも食品を売っている店が数10kmに一軒あるかないかであり、数日間歩いても店がないか店があっても閉まっていることがあり要注意である。
フランスの地方ではビールは同量のワインの2倍以上の価格であり、しかも不味い。ワインは巷間言われているように水(ミネラルウォーター)よりもずっと安く、しかも赤ワインであればどんなに安くても日本のスーパーで売られている一本1000円くらいの水準である。
必然的に夕食にはワインが欠かせないということになるが、重い瓶を終日担いで歩くのはしんどい。従い、ワインは巡礼宿になるべく近い雑貨屋で仕入れるか、飲み残しをペットボトルに入れて持ち運ぶことになる。
⇒第3回に続く
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