『サンチアゴ巡礼 心の旅』78日間で1650キロ踏破(第3回)
[フランス中西部Le Puyからスペインの聖地Santiagoを経てMuxiaまで]
(2015.4.22-7.16 86days 総費用37万円〈航空券含む〉)
ゲルマン魂ここにあり
4月27日 ドーンという至近距離の雷鳴で目覚める。簡単な朝食を済ませて雨模様を眺めていたが滝のような豪雨は一向に収まる気配がない。9時頃、雷鳴が轟く中出発。10人くらいのドイツ人中高年男女一行は大声で歌いながら賑やかに先発した。一人が振り向いて私に向かって「良い天気だ」(It’s nice wheather!)と叫んだ。
ザックにレインカバーを付けて雨合羽を着て歩き出す。山岳ルートは相当な急坂で雨水が濁流となって上から襲ってくる。岩肌を辿る山道は滑りやすく滑落の危険がある。こんな状況でもドイツ人一行は士気旺盛で相変わらず山の上のほうから歌声が聞こえてくる。これぞゲルマン魂である。
昼頃には小雨となり、午後2時には雨がやっと上がった。小高い丘を登ると目的地Sauguesの街が見えた。
フランス人巡礼者との会食はノンストップ質問攻め
Sauguesの巡礼宿も節約のため素泊まり(12ユーロ)とした。食堂のテーブルの端に座り、持参したサラミとチーズとパンで簡単な夕食をしようと準備していたら料理人の女性が親切にもスープを持ってきてくれた。
そのうち10人くらいの巡礼客が入って来て会食が始まった。私の質素な食事を見て近くに座っていた男性が大皿からソーセージやジャガイモ料理を取り分けてくれた。そのうちに赤ワインで乾杯となり結局一行と一緒に会食することになった。
中年男女のフランス人の一行であったが私が日本人の仏教徒と知ると「なぜ仏教徒がサンチアゴ巡礼するのか」という欧米人の定番の質問から始まり「禅と仏教の違いは何か」、「ブッダは唯一神なのか」という仏教関係の質問になり、サムライ精神(武士道)、天皇と神道、浮世絵などなど、質問攻めになりジャポネスクな話題が広がっていった。