2024年4月21日(日)

進化する「食」

2016年8月18日

トップアスリートのダイエットとは

セルフサービスで、各自が日替わりのメインメニューに副菜、ヨーグルト、果物、ドリンク類を選ぶ。1食当たり1700~1800キロカロリー(以下、同)

 当然のことですが、プロのアスリートたちは、余分な体脂肪はパフォーマンスに悪影響を及ぼすことを経験から知っています。したがって、少しでも体脂肪率が上がることは、アスリートにとって大きなストレスになります。だからこそ、厳しく自分を管理して食べ方にも注意を払うのです。

 自分に合った食べ方とは、自分の体調に合わせて、食べるものや量、タイミングを自分で管理する食べ方です。

 写真は、私たちが監修し、横浜F・マリノスの選手たちに提供しているランチメニューです。タンパク質を摂るために、肉や魚も提供しています。ただし、余分な脂肪を摂らないようにするために、肉に関しては脂身の少ない部位を使用しています。野菜はもちろん、果物は水分補給としても、またビタミン類を摂るためにもたっぷり準備しています。

 選手たちは、ここから自分で食べ物を選んでいます。たとえば、ベテラン選手は、昨日は肉を食べたので今日は魚、といった具合に割合に柔軟にチョイスします。また、酢の物やお浸しなど、生野菜以外の副菜などもまんべんなく選び、その日のトレーニング内容に合わせて、食事の内容や量を調整しています。シーズンを通して、ケガを予防し、体重、体脂肪率を一定に保ち、常にベストに近いコンディションを維持するためには、自分に合った食べ方を毎日、続けることがいかに重要であるかをよく知っているのです。

 一方、1年目の新人選手は、嫌いなものや好きなものに左右されたり、その日の気分で食べる量を極端に変えてしまうため、体調を崩したりケガをしやすくなります。自分に合った食べ方を見つけることは、プロのスポーツ選手にとって基本中の基本なのです。

 もちろん、私たちがアスリートのようにストイックになる必要はありません。むしろ、体重や体脂肪率といった数値には現れないけれど、体が軽くなった、エネルギッシュになったなど、自分の体と心が発する声に耳を傾けるダイエットを目指した方が、はるかにその効果を実感できるはずです。

 次回からは、そうしたダイエットを目指す人のためにアドバイスをしていきたいと考えています。

(編集・鮎川京子)

  
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