2024年12月3日(火)

古希バックパッカー海外放浪記

2017年4月23日

(2016.4.6.~5.21 45日間 総費用47万円〈航空券含む〉)

エルパソの目抜き通りはチャイナタウン

 4月23日(土)。朝から高速道路を快調に飛ばす。昨日まで終日カントリーミュージックが流れていたカーラジオからはご機嫌なラテンナンバーが流れてくる。気分はすっかりメキシカンだ。9時過ぎにメキシコ国境の町エルパソに到着。

エルパソからメキシコのフアレス市を望む。山腹に大きなメキシコ国旗が翻っている

 エルパソはメキシコ観光の米国側起点である。観光案内所ではオバマ前大統領の青年時代を彷彿とさせる好青年が親切に接遇。地図をもらいメキシコへ徒歩で入国する方法を教えてもらい美味しい無料コーヒーまで提供してくれた。

 オバマ的青年と雑談をしていると最近数年間でエルパソの目抜き通りの土産物屋が半分近く中国人商人に買われたという。実際に目抜き通りを歩くと店員はメキシコ系や米国人であるが店の奥のレジには勘定高そうな中国人オーナーが座っている。中国人の海外進出は世界中で深く静かに広くあまねく急速に進行している。

フアレス市の目抜き通り。突き当りにスペイン統治時代に建てられた教会が聳え立つ

メキシコは現在もマカロニ・ウェスタン世界

 炎天下国境の陸橋を歩いて渡ってアメリカ側からメキシコへ入る。どちらもフリーパスであり一切審査なし。両替屋が並んでいるがかなりレートに差がある。10軒くらいチェックしてから30ドルほど両替した。

 さらに歩くとバーや安宿が並んでいる一角があった。入口の小さなプレートを見ると部屋は一泊9ドル~11ドル、4時間までなら3ドルという。やり手婆みたいな厚化粧のオバサンが手招きしている。連込み宿であった。

 街を散策してスペイン統治時代の教会や市庁舎や美術館などを見物。国境の町Ciudad Juerezは南国的なエキゾチックとカオスが混在しているマカロニ・ウェスタン映画のセットのような埃っぽい町であった。

土曜日の午前教会前で陽気にダンスに興じる人々

「ステーキ2枚だけならあるよ」

 物価が安いのでランチにはビールを飲みながらビーフステーキを堪能しようとレストランを物色。ある店でビフテキを注文すると「ビーフステーキは売切れ(sold out)で提供できないが他の料理は如何」と執拗に勧める。

 それなら他の店に行くと席を立つと、やおらにオーナーが慌てて出てきて2枚だけなら在庫があったので料理するという。どうやら隣のレストランから融通してもらった様子だ。スローライフなメキシコ人もこういったことにかけては目端が利いて対応が素早い。


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