オランダ定年者はキャンピングカーで
4月19日(火)。オクラホマ・ルート66ミュージアムの前で写真を撮っていたら4台の同型のキャンピングカーが停まった。一行は4組の中高年カップルだ。聞くとデンマークから来たという。
4組のカップルはデンマークの旅行会社が募集した“キャンピングカーで巡るルート66 20日間の旅”に参加したのでこの旅で知り合った仲間だという。基本的には旅行会社が推奨するルートを走るが自分たちで一部変更することもあるという。
キャンピングカーには冷蔵庫、電子レンジ、ガス台などを完備しているのでスーパーマーケットで食材を買って好きなものを調理できるし、BBQセットも搭載しているので皆で集まってBBQパーティーをすることもあるという。
ツアーのお値段はコペンハーゲンからの往復航空運賃込みで二人で6000ドル。意外と安い。
T型フォード エンジン始動!
4月19日(火)ニューメキシコ州境に近いテキサスのルート66旧道の田舎町Vegaで1920年代のガソリンスタンドを発見。ついでに何かないか探していたらミュージアムがあるという。”Milburn-Price Culture Museum”は地元のボランティアの人々が昔の作業小屋を改装して町中のお宝、骨董品などを集めたオープンしたばかりの手作りの博物館だ。
奥のほうでまだ内装工事の作業をしている。作業台の横にT型フォードが置いてある。下手にドアを開けて壊したらまずいので窓から中を覗いていたらボランティアの老人が乗れとドアを開けてくれた。二人乗りのクーペだ。ハンドルもダッシュボードも床も素朴な木製だ。床の一部は壊れて地面が見える。フロントガラスは二段構造で雨や風がなければ上の段を下げて走る仕組みだ。
長年放置されていたが試しにエンジンをかけたら動いたので昨年町のイベントで走らせたという。塗装も剥げている部分があり座席も一部は革がはがれてむき出しである。つまりタイヤとブレーキパッドを除けばほぼ100年近く前の製造当時のシャシー、部品、内外装そのままであるとの説明。
老人は「よく見てろよ」とばかりにクランクを手で回してエンジンを始動させた。エンジンが始動すると車体が軽く震える。そしてガソリンが燃焼する独特の香ばしい匂いがしてきた。現代の乗用車では排気ガスは極限まで浄化されて排出されるのでほぼ無臭なので何か懐かしい匂いだ。
ノスタルジックな排気ガスの匂いの中でT型フォードの運転席に座りハンドルを握っていたら1925年のアメリカ黄金時代にいつのまにかタイムスリップしていた。