2024年11月22日(金)

古希バックパッカー海外放浪記

2017年4月16日

「品質は名誉にかけて保証します」オーナーは元トヨタマンのエンジニア

 オーナーに聞くと彼はトヨタ自動車のミズーリ工場で働いていたエンジニアであるという。「トヨタ車は米国市場で最も故障が少ない、つまり最高品質であるがトヨタ生産方式を学んだ技術者として品質には自信がある。」と胸を張る。

Nさんと元トヨタマンのオーナー。このKingmanの町は人口2万人の田舎町だが何故かクラッシックカーのディーラーが5〜6軒もある

 なぜ日本や欧州の顧客が驚くような価格で販売できるのか尋ねると車社会米国の一面が見えてきた。第一にクラシックカーのオーナーは自分の車に愛情を注いで大事に修理して乗っている。そうしたオーナーが亡くなると残された家族は思い出の詰まった車を手放す時にこれからも車が乗り継がれることを希望する。実績のある販売店にはそうした家族から直接買取の依頼が来る。たいていお金は二の次で新しいオーナーに乗り継いでもらうことが条件だ。

 他方で米国にはクラシックカーマニアが幅広く存在しており古い車を修復する技術も確立している。近年はインターネットでの部品調達システムが年々拡充しており1950年代のモデルのパーツでも通常二~三週間で揃えることができる。難しいエンジン周りのパーツでも一か月あれば調達可能だ。部品を交換して塗装を塗り替えて内装を整えるという一連の作業は通常一か月も要しないという。

 しかし現在の排ガス規制に対応するには大変なコストが必要ではないかと懸念ポイントを尋ねると「排ガス規制はどこの国でも法律制定後に販売される車種に適用されるのでクラシックカーは対象外ですよ」とのこと。

 ノブさんは興味津々でオーナーの名刺を貰って帰国後に検討することになった。問題は自宅前の道路が狭いので自宅の駐車場に入れるときに曲がり切れるか不安という。

⇒第7回に続く

  
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