ルーズベルトとアイゼンハワー
アメリカの自動車道路は1920年代から次第に整備されてきたが1933年にルーズベルトが大統領に就任してニューディール政策で大規模公共事業による景気回復政策をとってから急速に発展。それでも第二次世界大戦中ニューヨークからロサンジェルスまで自動車で大陸横断するには2カ月近く要したようだ。現在ではブログなどを見ていると10日でニューヨーク~ロサンゼルスを走破したという経験談も出ているので隔世の感がある。
アイゼンハワーは戦時中の体験から全米を網羅する高速道路網建設を掲げ1956年からインターステートハイウェイ(州間高速道路)の建設を着手。
米国では都市部のごく一部を除いて高速道路は無料である。ルート66旧道を外れてダラス、フォートワース、エルパソ、セドナ、グランドキャニオン、モニュメントバレー、サンディエゴなどなどに立ち寄ったがこうした寄り道では大半は高速道路を利用した。7000キロくらい高速道路を走ったことになるがシカゴ空港近くで50セントを支払った以外はすべて無料であった。
ちなみに自動車販売台数が年間2800万台(2016年)となり世界一の自動車大国となっている中国では中国全土を跨ぐ高速道路網を急ピッチで建設しているが日本同様に受益者負担原則から全て有料道路である。注)2016年の全米自動車販売台数は1755万台。
大陸横断鉄道は昔も今もアメリカ経済の大動脈
1869年にアメリカの大陸横断鉄道は完成した。スエズ運河の開通と同年だ。20世紀前半を通じて鉄道が全米の貨物輸送の主役であり、その後長距離トラック輸送が一般化するにつれて貨物輸送の主役の座をトラックに譲り鉄道は斜陽産業化したと思っていた。しかし今回米国中西部を走ってみて鉄道輸送は現在も米国経済の大動脈であると認識を改めた。
シカゴからルート66旧道を辿った。途中南北に寄り道しながら西海岸までドライブしたが、この地域ではイリノイ州(シカゴ)➡ミズーリ州➡カンザス州(カンザスシティー)➡コロラド州➡ニューメキシコ州(アルバカーキー)➡アリゾナ州(フラッグスタッフ)➡カリフォルニア州(ロサンジェルス)を走る通称サンタフェ鉄道と交差したり並行する区間が多い。
荒野を100両以上の大型貨車を牽引するディーゼル機関車は二両又は三両連結が普通である。山間部ではさらに後部に二~三両ディーゼル機関車が連結されていることもある。JR貨物の車両を見慣れた日本人にはディーゼル機関車も貨車も巨大に見える。
大型コンテナーを二段積みしたダブルスタックカーは米国ならではの光景であろう。韓進海運のロゴの入ったコンテナー車が延々と続く光景が記憶に残っている。2016年春の時点でまさか韓国大手の韓進海運が倒産するとは思わなかった。