WEDGE REPORT

2017年4月26日

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分断が続く今後5年間とデモ

 03年の7月1日。香港の中国への返還記念日に、香港では50万人にも上るデモがあった。国家安全条例の制定問題や、重症急性呼吸器症候群(SARS)、当時の財政長官であった梁錦松(アントニー・リョン)氏による車の取得疑惑(自動車税が上がる前に高級自動車を取得した)という3点セットが響いたのだ。今年の7月1日は、中国返還20周年という節目の年だ。そして同日には、習近平国家主席が香港を初訪問するのではないかと噂されている。また、不人気であるキャリー・ラム氏が行政長官に就任する。この新たな3点セットに加えて、行政長官選挙の約1カ月前には曽蔭権(ドナルド・ツァン)元行政長官が、香港市民が一番敏感である住宅問題での便宜供与などの不適切行為の罪で、有罪判決を受けるというおまけまでついてきた。このまま、香港社会の閉塞感や見通しにくい将来への不安が強まれば、7月1日に再び大規模なデモが発生する可能性がある。

 当選直後の記者会見で、キャリー・ラム氏はそのことを自覚しているのか、「分断している香港を1つにする」ことを目標の1つに挙げ、「意見の相違が大きい所ではなく、合意ができるところから対処していった方がいいと思っている」と語った。新内閣には、民主党の創設メンバーである羅致光を迎え入れることが噂されており、融和をしようとする努力がうかがえる。しかし「合意できるところから」という意味の本質は、選挙制度改革について後ろ向きであることを示しているとも言える。また、国家安全条例制定は、中央政府からの〝業務命令〟であり、いずれ着手せざるを得ない。4月11日には、キャリー・ラム氏は習近平国家主席と面談。習氏は「中央政府は1国2制度を堅持する」と発言し、暗に香港の独立問題などにしっかり対処するよう求めた。つまり、いくら融和を唱えても香港を分断する問題として常にくすぶるため、今後5年間は、英国や米国と同様に、社会が分断したままの不安定な状態が続くことになりそうだ。
  
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