冷泉彰彦の「ニッポンよ、大志を抱け」
日本の内向き志向が際立っている。アメリカ在住の作家がを米国を中心とした世界の最新情勢を紹介し、日本の内向き志向のギャップを提示。日本が産業動向、ライフスタイル、カルチャーなどさまざまな分野で大きな志を持ち、世界に羽ばたくために必要な情報や考えを提供する。
-
2024/01/09 冷泉彰彦
1月2日に発生した羽田空港における日本航空着陸機と離陸中の海上保安庁の航空機の衝突事故は、日本だけでなく世界にも衝撃を与えた。日本の報道では3点ほど大きな誤解がある。この機会に少し詳しく議論しておきたい。
-
2023/12/23 冷泉彰彦
OECDによる国際的な学力調査で、日本は読解力、数学応用力、科学応用力の全てで順位を伸ばした。「15歳まではトップレベル」である日本の教育が、16歳以降は競争力を失っているという高大接続への危機感も必要と考える。
-
2023/11/29 冷泉彰彦
対話型AI「ChatGPT」を運営するオープンAI社で、サム・アルトマンCEOの解任騒動について日本では、「経営陣の混乱」だという印象で報道がされている。今回の事件は、単なる「混乱」という一言で済ませることはできない。
-
2023/11/17 冷泉彰彦
東京大学の理科三類は、1962年に設置されて以来、日本の大学入試における最難関として有名となっている。しかし、この「受験の頂点」という構造は「最難関だから」挑戦してみようといった受験生もおり、日本の入試制度の問題を物語るものとなっている。
-
2023/10/27 冷泉彰彦
日本の算数・数学教育は成功し、米国は失敗しているとされていたが、現代では逆転しつつある。日本の産業競争力が失われているのは、算数・数学教育の低迷という問題が深く根を下ろしている。具体的な6つの論点について問題提起したい。
-
2023/10/16 冷泉彰彦
AIの利用が万人のものとなった米国では、社会に大きな混乱が生じている。深刻な問題意識を持っているのはビジネスの現場だ。既に相当な比率で使われているのは間違いないが、いま議論されているのは「3段階の脅威」という問題だ。
-
2023/09/21 冷泉彰彦
ジャニー喜多川氏(故人)による少年たちへの性暴力事件は、その規模と深刻さ、そして組織的な幇助と隠蔽の悪質さという点で、極めて大きな事件だ。けれども、社会としてこの事件の評価は十分ではない。解決へ向けて3点、問題提起をしておきたい。
-
2023/08/29 冷泉彰彦
会社法が2021年に改正されたことにより、日本の上場企業には、社外取締役の設置が義務化された。だが、本格的な運用が始まって30年以上が経過する中で、その主旨が理解されているかというと、今でも極めて残念な状況がある。
-
2023/08/01 冷泉彰彦
中古車販売と自動車整備で事業を急拡大させていたビッグモーターで、次から次へと「疑惑」が明るみに出ている。背景には「自動車整備」という職種、あるいは業態に関する環境変化が指摘できる。効果的な施策に結びつけなければならない。
-
2023/07/31 冷泉彰彦
「袴田事件」の再審請求に対し、静岡地検は再審において「有罪立証」を行う方針を発表し、社会を驚かせた。一番の問題は、検察による説明が圧倒的に不足している点である。あくまで有罪を求める「根拠」と「責任の所在」が不明確ということだ。
-
2023/06/22 冷泉彰彦
岸田文雄内閣は、以前から「学び直し」に力を入れるとしていた。これは「新しい資本主義」の一環だとして、終身雇用や年功序列といった日本型雇用システムの転換を目指しているというが、全く意味不明な政策である。
-
2023/06/10 冷泉彰彦
神戸の児童殺傷事件に関する記録が廃棄されていたというニュースは、全国に衝撃を与えた。法医学、法学、医学、行政それぞれの観点から見て、損失のインパクトは計り知れない。何でも破棄してしまう体質の背景には、どういった考え方があるのだろうか。
-
2023/06/04 冷泉彰彦
徳島県の阿波踊りの主催者が、一部のスタンドにVIP席を設けたことが地元で賛否両論になっているという。こうした「高価格=悪いこと」というマインドは、日本社会のあちらこちらに見られ、日本文化を追い詰めるような働きをしていると言えるだろう。
-
2023/04/29 冷泉彰彦
統一地方選と同時に行われた衆院補選の応援遊説中に、岸田文雄首相が爆弾テロ攻撃に遭遇した。あってはならない事件であるが、選挙のたびに要人が全国を遊説し、有権者の中に飛び込んで握手など行う現在の形が果たして良いのか、疑問を感じざるを得ない。
-
2023/04/09 冷泉彰彦
オープン型のAI「ChatGPT」が話題だ。世界における比較的単純な知的労働を大きく変える可能性を秘めているし、教育やコミュニケーションの方法論も影響を受けるだろう。では、日本としては、この技術にどう向かい合って行ったら良いのだろうか。
-
2023/03/24 冷泉彰彦
今回のWBCは、コロナ禍後の「再開」という意味では成功だった。だが、WBCの今後、そして日米の野球交流ということでは、さまざまな論点を感じるのも事実だ。日本優勝の熱気の冷めないうちに、少し冷静に今後のことを整理しておきたい。
-
2023/03/21 冷泉彰彦
米国から日本社会を見ていて気になるのは、日系人、特に日系アメリカ人の受け入れに距離感があることだ。これは日本社会が抱えていた問題と言えるが、WBC日本代表チームにおける、ヌートバー選手の異常な人気は、従来のパターンとは異なるのを感じる。
-
2023/03/06 冷泉彰彦
政府が日本銀行の次期総裁に経済学者の植田和男氏を起用する人事案を国会に提示し、承認プロセスが進行中である。今回、植田氏が就任するとなると、経済学者出身の日銀総裁は戦後初めてとなるそうで、そのことにも驚きを禁じえない。
-
2023/02/06 冷泉彰彦
M&M'sキャラクターの「活動停止」騒動は、いかにも分断の激しい米国の「病理」であるとか、食品メーカーまでが「政治的な正しさ」に振り回されるという米国市場の「面倒臭さ」という印象を与えるかもしれないが、そう単純な問題とも言えない。
-
2023/01/31 冷泉彰彦
近年「教養」を身に付けようという風潮が出てきた。「ファスト教養」なる言葉が流行するとブームにも見えるが、教養を持つことに確かな必然性がある。「教養」の持つビジネスにおけるもっと本質的な意味について考えてみたい。
|
|