冷泉彰彦の「ニッポンよ、大志を抱け」
日本の内向き志向が際立っている。アメリカ在住の作家がを米国を中心とした世界の最新情勢を紹介し、日本の内向き志向のギャップを提示。日本が産業動向、ライフスタイル、カルチャーなどさまざまな分野で大きな志を持ち、世界に羽ばたくために必要な情報や考えを提供する。

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2023/07/31 冷泉彰彦
「袴田事件」の再審請求に対し、静岡地検は再審において「有罪立証」を行う方針を発表し、社会を驚かせた。一番の問題は、検察による説明が圧倒的に不足している点である。あくまで有罪を求める「根拠」と「責任の所在」が不明確ということだ。
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2023/06/22 冷泉彰彦
岸田文雄内閣は、以前から「学び直し」に力を入れるとしていた。これは「新しい資本主義」の一環だとして、終身雇用や年功序列といった日本型雇用システムの転換を目指しているというが、全く意味不明な政策である。
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2023/06/10 冷泉彰彦
神戸の児童殺傷事件に関する記録が廃棄されていたというニュースは、全国に衝撃を与えた。法医学、法学、医学、行政それぞれの観点から見て、損失のインパクトは計り知れない。何でも破棄してしまう体質の背景には、どういった考え方があるのだろうか。
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2023/06/04 冷泉彰彦
徳島県の阿波踊りの主催者が、一部のスタンドにVIP席を設けたことが地元で賛否両論になっているという。こうした「高価格=悪いこと」というマインドは、日本社会のあちらこちらに見られ、日本文化を追い詰めるような働きをしていると言えるだろう。
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2023/04/29 冷泉彰彦
統一地方選と同時に行われた衆院補選の応援遊説中に、岸田文雄首相が爆弾テロ攻撃に遭遇した。あってはならない事件であるが、選挙のたびに要人が全国を遊説し、有権者の中に飛び込んで握手など行う現在の形が果たして良いのか、疑問を感じざるを得ない。
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2023/04/09 冷泉彰彦
オープン型のAI「ChatGPT」が話題だ。世界における比較的単純な知的労働を大きく変える可能性を秘めているし、教育やコミュニケーションの方法論も影響を受けるだろう。では、日本としては、この技術にどう向かい合って行ったら良いのだろうか。
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2023/03/24 冷泉彰彦
今回のWBCは、コロナ禍後の「再開」という意味では成功だった。だが、WBCの今後、そして日米の野球交流ということでは、さまざまな論点を感じるのも事実だ。日本優勝の熱気の冷めないうちに、少し冷静に今後のことを整理しておきたい。
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2023/03/21 冷泉彰彦
米国から日本社会を見ていて気になるのは、日系人、特に日系アメリカ人の受け入れに距離感があることだ。これは日本社会が抱えていた問題と言えるが、WBC日本代表チームにおける、ヌートバー選手の異常な人気は、従来のパターンとは異なるのを感じる。
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2023/03/06 冷泉彰彦
政府が日本銀行の次期総裁に経済学者の植田和男氏を起用する人事案を国会に提示し、承認プロセスが進行中である。今回、植田氏が就任するとなると、経済学者出身の日銀総裁は戦後初めてとなるそうで、そのことにも驚きを禁じえない。
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2023/02/06 冷泉彰彦
M&M'sキャラクターの「活動停止」騒動は、いかにも分断の激しい米国の「病理」であるとか、食品メーカーまでが「政治的な正しさ」に振り回されるという米国市場の「面倒臭さ」という印象を与えるかもしれないが、そう単純な問題とも言えない。
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2023/01/31 冷泉彰彦
近年「教養」を身に付けようという風潮が出てきた。「ファスト教養」なる言葉が流行するとブームにも見えるが、教養を持つことに確かな必然性がある。「教養」の持つビジネスにおけるもっと本質的な意味について考えてみたい。
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2023/01/12 冷泉彰彦
このパンデミックの期間中、世界中で日本のコンテンツへの需要が拡大している。だが、日本発のコンテンツ産業は、まだ十分にその実力を発揮しているとは言い難い。今回はこの「伸びしろ」を成長に結びつけるために、3つの提言をしてみたい。
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シリーズ:新型コロナはなぜ「5類」へとならないのか?
2022/12/14 冷泉彰彦新型コロナウィルスの感染症法上の扱いの見直しに向けた議論が進められている。未曾有の巨大な災害からの「出口」を模索する上では、既存の枠組みでの検討ではなく、しっかり対策の再点検をして「コロナの出口戦略」に相応しい対応に変えるべきだ。
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2022/11/25 冷泉彰彦
日本ハムの新球場のファウルゾーンの一部が規定より狭くなっているという問題が話題となった。現時点では、このままで23年の公式戦を実施し、同年のシーズンオフから2年がかりで改修工事を行うこととなったが、ストーリー全体がメチャクチャである。
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2022/11/13 冷泉彰彦
米国の中間選挙の事前の予想は共和党が大勝すると言われていたが、ほぼ「痛み分け」となっている。最終結果は出ていないが、本稿の時点でもこの選挙は「接戦」となったと言い切って構わないであろう。一体、米国の二大政党には何が起こったのだろうか?
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2022/10/31 冷泉彰彦
メタバースは新たなサービス形態として、巨大なビジネスチャンスを生む可能性がある概念だ。日本にはこの大きな革新に参加できる役割はあるし、成功を収めることで技術立国復権の一歩を刻むことも不可能ではない。5つの「立ち位置」を提言したい。
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2022/10/09 冷泉彰彦
岸田文雄首相は所信表明演説で、企業人のリスキング(学び直し)の支援に5年間で1兆円を投じると表明した。ここには重大な問題がある。大前提である、リスキングの定義が間違っているのだ。
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2022/09/30 冷泉彰彦
日本政府は、10月11日から多くの国に対して、ビザなし渡航を再開するとともに、一日の入国上限を撤廃する。日本の観光・運輸業界では、業績回復が期待できるが、完全な鎖国から全面的な開国へと、急にシフトするのは難しい。3点ほど留意点を指摘したい。
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2022/09/22 冷泉彰彦
円安が進行する中で、日本では米国の物価高に関する報道がやたらに目立っている。とにかく「米国での日本人旅行者の苦労話」という話題になるというだけで、ネットやTVでどんどん増殖している。これは、極めて深刻な問題と言ってもいい。
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2022/08/30 冷泉彰彦
安倍晋三元首相が殺害された事件では、事件当時の警備体制が問題とされ、警察庁は検証報告書を公表した。改善策として要人警護を「中央集権」とするが、それが体制強化になるという保証はない。具体的にどのような改善を進めれば良いのだろうか。
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