2023年12月11日(月)

冷泉彰彦の「ニッポンよ、大志を抱け」

2022年11月13日

»著者プロフィール
閉じる

冷泉彰彦 (れいぜい・あきひこ)

作家・ジャーナリスト

ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。近著に『「反米」日本の正体』(文春新書)など。メールマガジンJMM、Newsweek日本版公式ブログ連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

 現地時間の11月8日に投票が行われた米国の中間選挙については、事前の予想としては、共和党が大勝すると言われていた。民主党の青に対して、共和党のイメージカラーが赤ということから、「レッド・ウェーブ」つまり共和党の「うねり」が到来するとか、共和党の「地滑り的勝利」といった予想がされていた。

米中間選挙は一部の州で、いまだ開票作業が続いている(ロイター/アフロ)

 本稿の時点では、最終結果は出ていないが、とにかく実際に開票がされてをみると、「うねり」や「地滑り」どころか、ほぼ「痛み分け」となっている。上院では、現時点では民主党49、共和党49で、残る議席はネバダ州で僅差で共和党が先行している。一部には民主が逆転するという観測もあるが、仮にここを共和党が取ると民主49、共和50となる。

 一方でジョージア州では、民主党の現職、共和党の挑戦者双方が50%の得票を確保できないことが確定しており、12月6日に再選挙が決定した。その場合は、民主党の組織的な動員力が発揮されると言われており、民主現職が勝利すると、最終結果としては上院は50議席対50議席となる。ハリス副大統領の最終投票で民主党が過半数になるという選挙前の状態は変わらず、民主党としては勝利となる。

 下院は、どうやら僅差で共和党が多数になる見通しだが、州知事選でも、危ないと言われたニューヨークの現職ホークル知事が逃げ切りに成功するなど、共和党には勢いがなかった。最終結果は出ていないが、本稿の時点でもこの選挙は「接戦」となったと言い切って構わないであろう。一体、米国の二大政党には何が起こったのだろうか?


新着記事

»もっと見る