もう一つ100年前のこの時期起きたのがロシア革命だ。新旧歴の関係で10月としたり11月といったりするが、100年前のことになる。
これも、資本主義があれば必ず発生する労働者の極貧と階級闘争が起きると習ったことがある。特に資本主義が最初に成熟した英国で発生するはずであった。フランスもその候補として想定されていたのだろう。しかるに、資本主義辺境の地ロシアで革命は起きてしまった。
縦型に並べれば、バブルと革命100年30年10年記念の年となるのが2017年だ。とりわけ10月は大きな変化の月でもあった。
革命話は、消えてしまったのだろうか。人類の歴史は階級闘争の歴史なので労働者による暴力革命は歴史的必然とも大学で習った。話はわかったが歴史的必然なら、僕は何もしないよという学生もいた。
よく見ると、当時の日本のジニ係数(富や所得の集中度)は、低いもので暴動や革命が想定されるレベルではなかったようだ。逆に現在はじわじわと上昇していて、危険水域に近づいている。
特に昨今の日本は格差社会だとされ、非正規労働者が40%となり、子供7人に1人が貧困家庭の子等だと聞いている。
いよいよ団結して革命が起きる可能性か?
しからば、いよいよ団結して革命が起きる可能性があるのかというと、その気配を感じることができない人が多いことであろう。
少なくとも、非正規雇用であれば、現状に不満をあらわにすることも想像するが、青年たちの7割が保守的な考えで選挙行動をするようだ。
たまたま50人程度の青年たちに、日本的経営(生涯雇用、年功序列、比較的低賃金、社内結婚など)と米国型実力主義とどちらがいいか聞くチャンスがあった。もちろん、科学的調査ではないので御参考程度話だが、9割以上の青年が日本的経営に魅力を感じると答えたので、かなり驚いてしまった。
「田舎で10万円」という言葉があるそうだ。月に10万円あれば、里山のある美しい村で楽しい生活が可能だという。
一方、都市でも少しのお金があれば、コンビニでご飯は食べることができる。本当に金がなければ、アルバイトする先には困らないということはない。しからば革命勢力となって命を投げ出して戦う必要も感じることはないということか。
されば、これ以上格差が拡大しない限り、日本社会は静かに成熟して人口も減り誰にご迷惑もかけることなく、枯れてゆくのだろうか。
一方で、金融バブル。東京株式市場は2週間も下落することなく毎日上昇するなど、奇妙なことが起きている。まだ解決していないどころか、ますますきな臭い北朝鮮問題を4月以降あれほど心配したにもかかわらず、株だけ上がっている。
貧困もバブルも音もなく静かに進んでから、あざ笑うように歴史的事件となった。だとすると、近未来に大変な事件がまっているのだろうか。
それとも原典は知らないが、あと70年もすると経済学上の問題はおおかたきれいになると、ケインズがいったと学生時代ならった。ジョン・メイナード・ケインズは1946年に亡くなっている。
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