ネット炎上のかけらを拾いに

2018年2月20日

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「動物は数字を取る」は広告界の常識
「SNSのために飼う」は禁句

 このツイートに対する反応を見て思い出したのが、若い女性と老婆の絵だ。1枚の絵だが、見方によっては若い女性にも老婆にも見える、有名なだまし絵である。

 発端となったツイートに対して、「動物の命を軽んじている」と反応する人と、「単に事実を言っているだけ」と言う人がいる。一つのツイートに2つの見方がある。この反応の違いは何だろうか。

 広告業界には昔から「3B(Beauty、Baby、Beast)」という言葉がある。美しい人や赤ちゃんと同じく動物が「数字を持っている」ことは常識とされている。こちらの視点に立てば、動物の画像で人気を獲得できるなどということは、言わずもがなの「事実」だろう。

 一方で、猫や犬、ときには鳥やハムスターなど、動物の画像をアップする人気アカウントのフォロワー界隈では、「SNSで人気を得るために動物を飼うと良い」は、最大級の禁句だ。

 よく言われる言い回しだが、多くの飼い主にとってペットは家族と同じである。動物を家族だと思っている人にとって、このツイートは「手っ取り早くSNSで有名になりたかったら養子をもらうと良いらしい」と言っているに等しい。動物の世話は簡単ではないため、決して「手っ取り早い」方法ではないという指摘ももっともだろう。

 また、動物好きの中では、日本では年間で5万匹以上が殺傷処分されていることや、「飽きたから」「思ったより飼うのが大変だったから」「大きくなってかわいくなくなったから」など自分勝手な都合でペットを簡単に捨てる飼い主がいる事実は広く共有され、戒められている。だからこそ、動物軽視につながる言動に非常に敏感だ。

 今回の炎上に関して、「もともとアンチの多いブロガーだから炎上した」という見立てがあるが、これがもし人気の飼い主アカウントであればアカウント閉鎖まで追い込まれただろうし、人気タレントのつぶやきでも謝罪&ツイ消しはやむを得なかったと推測する。

 そもそも、「動物コンテンツは炎上しづらい」は事実なのだろうか。不衛生な飼い方をしていないか、最低限のしつけをしているか、飼い主はマナーを守っているか、与えてはいけない食べ物を食べさせていないかなど、動物好きたちには動物好きなりの「チェックポイント」があり、それに引っかかるアカウントはこれまでも炎上している。炎上が少ないように見えるのは、そのコミュニティをじっくり観察したことがないから言えることではないか。

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