山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2018年3月7日

»著者プロフィール

資源開発の現場では「ありがた迷惑」

 スポジュメンの鉱山開発のほうがまだましであるが、こちらも開発には時間がかかりそうだ。

 新規鉱山としては、Whabouchi鉱山(Nemaska Lithium Canada)、 Rose鉱山(Critical Elements Canada) 、Kings Vally鉱山(Western Lithium USA)、 Mount Marion鉱山(Red Resources Australia)などの開発案件もあるようだが、個人的には期待はできそうもないと思っている。

 EVや大型電池の開発の現場ではリチウム電池の明るい将来が議論されているが、資源開発や環境問題の現場ではむしろ「ありがた迷惑」なのである。

 一方、リチウム電池からのリサイクルの話題も盛んだが火災事故が発生しやすいので技術的な問題点も残っているようだ。

 そもそも筆者は環境問題を解決するためにEVにシフトしていくことに疑問を持っている。LIBをスマホに使うことには(使用量が少ないから)疑問を持たないが、EVに利用するLIBは途方もない量が必要になってくる。

  地球環境の保全のためにわざわざリチウム資源を開発し、コバルト資源を開発するのは逆に地球環境を劣化させていると理解している。かん水はまだしも、スポジュメンの資源開発と精錬のために多大なるエネルギーが必要になる。

 コバルト製錬についても同様で、エネルギー多消費型産業を経由してわざわざリチウムイオン電池を生産するぐらいなら、ガソリンを自動車の動力に直接使用したほうがトータルのエネルギーコストは安上がりである。ソーラーエネルギーや風力エネルギーも同様である。再生可能エネルギーを利用するために金属精錬をするのは、むしろ地球規模で考えると無駄だし、第一環境に与えるマイナスは計り知れないのではないだろうか。

 機械仕掛けの自動車を走らせるにはガソリンを直接使えばよいのだが、電気仕掛けの自動車(EV)を走らせるべく、石油エネルギーをわざわざ電気に変え、リチウムやコバルトを精錬し、さらにLIBを作って、手間暇をかけてEVを走らせるのである。電気充電の設備も必要だし気の遠くなるようなインフラ整備にもエネルギーは使われる。

 その上、地球に遍在するリチウムやコバルトをわざわざアフリカの奥地や南米のアンデスの高地で開発するなどとどんな切り口で考えても正気の沙汰ではない。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

関連記事

新着記事

»もっと見る