子どもの力をもっと信用しよう
・宿題を始めるのにいつもグズグズして、けっきょく親が見てやらないと自分ではやれない。
・机には長い時間座っていたみたいだけれど、どうでもいいことにこだわって、肝心なことに手を付けられないまま夜になってしまった。
・毎日のことだから分かっているはずなのに、言われるまでやろうとしない。
・好きなことなら自分からやるけれど、気が乗らないことにはまったく取り掛かれない。
そんな子に、がんばってもらうのは難しいのではないか? と思う方も多いと思います。
でも大丈夫です。子どもたちは、どの子も、自分のことを自分でできるようになる力をちゃんと備えています。
毎日の自分のことについては、「やらない」のではなく、「やれない」のでもありません。
ただ、「やり方が分からない」だけです。
または、やれるのだけれど、「今、やるタイミングだ」ということを知らないのです。
昨日できたことを今日やっていないのも、「今日も同じことをやるんだ」ということを知らないだけなのです。
知らないのだから、教えてあげればいい。
このスタンスに立つことが、子ども自身にがんばってもらう上でのコツです。
やっていないことに目を向けて叱る、嘆くのではなく、「どう教えてあげれば、この子は自分でできるようになるかな?」と、できるようになるまでのプロセスに焦点を合わせるのです。
ここで気をつけたいのは、大人に教える場合との違いです。
大人相手に教える場合、目的が何で必要な準備が何で、注意したいポイントは何なにだと、「言葉」で説明するのが普通ですね。実際に場所を示したり、図を使ったりするとしても、やることとやり方は言葉で説明していると思います。そして、教えられる側がその言葉を聞いて自分でイメージして、理解していく。大人の場合は言葉で渡せます。
子どもには「言葉で渡す」だけではダメ
子どもはそうはいきません。言葉での説明を聞いて、自分自身が行動をとっているイメージを持つというのは、かなり難しいことなのです。
言葉で渡せるのは9歳、10歳になってからと思うぐらいがいいでしょう。
言葉で渡すだけで実際の行動までつなげられるのは、中学生以降になってからと思うぐらいでちょうどいい。
「何回言ったら分かるの!いい加減にしなさい!」と思う時は、言葉だけでは渡せていないんだなと気づいてあげてください。
「うちの子はまだ小2だけれど、一度説明したらだいたい分かってくれますよ?」という方もいらっしゃるでしょうが、それは、できているその子を褒めてあげてください。
出来ないのが普通のことを、あなたはできているというのは素晴らしいね、と。
では、言葉で渡すだけではない教え方とは、どのようなものでしょうか。ポイントは、「体の動きを教える」ことです。