2018年5月9日、第7回日中韓首脳会談が東京で開催された。安倍総理が議長を務め、中国の李克強首相、韓国の文在寅大統領が出席した。この会談に基づき、同日、二つの文書が発表された。一つは、「第7回日中韓サミット共同宣言」であり、もう一つが、「2018年の南北首脳会談に関する日本、中華人民共和国及び大韓民国の首脳による共同声明」である。前者は、主に経済や人的交流を含む様々な分野に関する三国間協力について記述したものだが、若干、北朝鮮問題にも触れている。これら二つの文書を紹介しながら、日中韓首脳会談を前後して大きく朝鮮半島情勢が動いている状況を見ておきたい。
「第7回日中韓サミット共同宣言」より
「我々は,朝鮮半島の完全な非核化にコミットしている。我々は朝鮮半島及び北東アジアの平和と安定の維持は,我々の共通の利益かつ責任であることを再確認する。我々は関係国の諸懸念に関する,関連国連安保理決議に従った国際的な協力及び包括的な解決によってのみ,北朝鮮にとって明るい未来への道が拓けることを強調する。中華人民共和国及び大韓民国の首脳は,日本と北朝鮮との間の拉致問題が対話を通じて可能な限り早期に解決されることを希望する。」
「2018年の南北首脳会談に関する日本、中華人民共和国及び大韓民国の首脳による共同声明」より
「我々,日本,中華人民共和国及び大韓民国の首脳は,北朝鮮をめぐる現在の前向きな動きについてのこれまでの国際社会による全ての努力を評価する。日本及び中華人民共和国の首脳は,2018年4月27日の歴史的な南北首脳会談において,文在寅大統領と金正恩委員長の間で合意され,朝鮮半島の完全な非核化及び朝鮮半島における恒久的な平和体制の構築という共通の目標を確認した『朝鮮半島の平和と繁栄,統一のための板門店宣言文』を特に評価し,歓迎する。」
「我々,日本,中華人民共和国及び大韓民国の首脳は,南北首脳会談の結果を踏まえ,特に,来る米朝首脳会談を通じ,関係国による更なる努力が,地域の平和及び安定に向けた関係国の懸念の包括的な解決に貢献することを強く希望する。」
「我々は,朝鮮半島及び北東アジアの平和と安定の維持は,我々の共通の利益,かつ,責任であることを再確認する。我々は,この目標に向かい,共同の努力を強化していく。」
(出典:外務省ホーム・ページ)