ポンペオ米国務長官は、10月7日に北朝鮮を訪問し、金正恩労働党委員長と会談し、第2回米朝首脳会談の打ち合わせと北朝鮮の非核化手続きについて話し合った。ポンペオ長官は、その前夜6日には安倍総理と、その直後の7日夕には韓国の文在寅大統領とそれぞれ北朝鮮問題について話した。翌10月8日には北京入りしたポンペオ長官だが、習近平主席や李克強首相と会うことはなく、中国共産党で外交を統括する楊潔篪政治局員と王毅外相と、それぞれ会談した。その冒頭発言を、以下に紹介する。なお、ポンペオ国務長官の訪日と訪韓については、当コラムの10月18日付で取り上げている。
楊潔篪政治局員
・現在、米中関係は多くの挑戦に直面し、重要な分岐点にある。最近米国が行った否定的な言動に対し中国は厳重に表明を行い、公に自らの原則と態度を明らかにした。中国は、自らの利益を断固として守るため引き続き必要な措置を取る。
・2大国として、米中両国は、協力を通じてのみウィン・ウィン関係に到達できる。双方とも正しい選択をしなければならない。両国は、首脳会談で合意した重要事項を良心的に履行しなければならない。我々は、相互尊重に基づき相違を上手く処理し、相互主義に基づいた実利的協力を拡大すべきである。そうすることで、米中関係は良い方向に前進する。
ポンペオ国務長官
・おっしゃるように米中間には意見の相違が多々ある。だからこそ、お互いの意見を聞き、建設的な解決策を探ることが重要である。そうして、両国にとって良い成果が生み出されるのだ。
・ここ数日の私が行った朝鮮半島の非核化に関する話し合いを共有できることを嬉しく思うが、本日は、より広範に両国、両国民に影響を与える諸課題について話をするのを楽しみにしている。
参考:Michael R. Ponpeo ‘Remarks With Chinese Director of the Central Foreign Affairs Commission Office Yang Jiechi Before Their Meeting’Department of State, October 8, 2018,