2024年12月23日(月)

食卓が変わる日

2019年1月9日

すぐには症状が出ない隠れアレルギー

(piotr_malczyk/Gettyimages)

 フードアレルギーといえば、ほとんどの人は「即時型フードアレルギー」を想像するはずだ。いや、「即時型」などという言葉さえ知らない人も多いだろう。フードアレルギーには、即時型と遅延型の2タイプがあるのだという。

 即時型フードアレルギーは「Ⅰ型アレルギー」ともいう。学校給食で小麦やピーナツ、卵などを食べて腹痛や呼吸困難といった症状が出た、とニュースになるのはこのタイプだ。成人でも、カニやそばは食べられないという人がいる。時にはアナフィラキシーショックといわれる、命に関わるアレルギーを引き起こすこともある。

 そうしたことから、日本では加工食品にはアレルギーの原因になりうる食品のうち、特にアレルギーになりやすい食品、卵、小麦、えび、かに、そば、落花生、乳の7品目を「特定原材料」に指定し、表示を義務付けている。

 これらは、食べてすぐにアレルギー症状が出るため、その食品が原因であることがわかる。

 ところが、食べてもすぐには症状が出ないフードアレルギーがある。だから、原因が突き止めにくい。これが遅延型フードアレルギーだ。こちらは「Ⅲ型アレルギー」とも呼ばれる。この遅延型フードアレルギーが、実はさまざまな身体的な不調を引き起こしているという話は、あまり知られていない。

誰も湿疹の原因を調べてはくれない

 突然だが、ここから少し、私自身の体験を。

 まぶた、額、口の周り、あご。毎日、赤味とかゆみの出る場所が違うため、まるで“もぐら叩き”のようにあちこちにステロイドを塗って、その日をしのぐ。これが3年続いている。

 発症当初は近所の皮膚科に通った。2時間待ちも珍しくない、わが町では大人気の皮膚科だ。しかし、ステロイドを処方されるのみで、症状は変わらず。途中、クリニックを変えたり、大学病院にも行ってみた。しかし、もぐらを退治するには至らなかった。いまだ、湿疹が消える気配は一向にない。

 どの医師にも、「原因があるのでは?」と聞いてみたが、どの医師からも一様に、「眼の周りは肌が薄くて敏感ですからね」という方向違いの返事が返ってきた。検査の方法がないのか、この程度のことで検査する必要はないのか、定かでないが、「はぁ、そうですか」と引き下がるほかない。さすがに3年も続けば、湿疹の原因が知りたいと思うのだが、町の皮膚科でも大学病院でも検査を勧められたことは一度もない。原因がないなんてことが、あるだろうか。

 そんなこんなで悶々としていた時に、遅延型フードアレルギー検査なるものがあることを知人から聞いた。

 「たしかに食べ物は、アレルギーの基本中の基本だ!」

 恥ずかしながら、初めて「食べ物犯人説」に気づいた。これまで、アレルギーは食べればすぐに発症するものと思い込んでいた。

 これは何としても検査を受けてみなければ。


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