2018年の昨年までは、インターネットが1995年から情報流通を根本的に変革させてきた。そして次に来るものは。それはブロックチェーンだろう。つまりブロックチェーンが価値流通を根本的に変革させる元年が2019年だと思う。
このブロックチェーンはラグビーで言えば15人の塊(ブロック)の鎖(チェーン)である。司令塔からの指示でチームのメンバーがすべて動くという戦術は、
2015年ワールドカップでオール日本が南アフリカに歴史的勝利
秩父宮ラグビー競技場大学日本選手権決勝観戦記
今年はワールドカップ・ラグビー2019日本大会が9月20日から日本全国で開催される。はじめて日本から発信する世界ラグビーイヤーなのだ。すでにオールJapanが世界に通用するキーワードをいくつか持っている。つまり、「小さいものが大きいものを制する」ということだ。
現代ラグビーでは、個々の自立した判断も強く求められている。オールブラックスに代表される最新のラグビー戦術では、
そして個人技ではなく個々の判断ができる集団がコツコツと相手を倒す基本プレーが観衆を魅了した。明治は天理のロックのアシペリ・モアラ(1年)やNO.8のファウルア・マキシ(4年)のハイパワーの大型フォワードとCTBのシオサイア・フィフィタ(2年)を、とにかく15人のチェーンが楔を打つようにタックルし、皆が無駄のない動きをする姿を見てこれはちょっと面白い試合になると予感した。
天理が帝京相手に戦った戦術を明治がじっくり冷静に研究したんだろう。そういう意味で明治は伝統校で関東で戦う情報戦に長けていたのだろう。じっくりロジックに考えた作戦を準備したのだろう。天理も関西という場で三連覇して自分たちを鍛えて来たのだろうが、経験からくる知識はその量で決まるから、難しい面もある。しかし、帝京を破った素晴らしいチームである。
試合をプレイバックしてみよう。
天理のフッカー島根一磨(4年)が前半3分、ゴール前のラインアウトのサインプレーから、ブラインドサイドでボールを受けて先制のトライ。作戦というより、あまりにもタイミングがうまくあい明治デイフェンスがどうしたんだろうと天理は戸惑いを感じたかもしれない。
ただそれが逆に何かのチェーンが外れたかのように前半戦はボールを支配できない。逆に前半7分に明治WTB山崎洋介(3年)がトライ、そして22分に素晴らしサインプレーでWTB髙橋汰地(4年)がトライした。後半に入りペナルティゴールを決め、天理のお株を奪うフォワードのフッカー武井日向(3年)のトライで天理は17点差をつけられた。
やっと後半29分に力強い突破でキャプテン島根がトライを奪うと、その6分後にも攻撃の起点となってゴールポストに集団でトライにつなげた。苦しい場面で力をやっと出せ点差が開き、吹っ切れるしかないとアタックに切り替えられたことが終盤の猛反撃に繋がったが、時間ギリギリの最後の渾身のアタックもフィフィタのノッコンがあり試合終了。
明治の15人は飛び上がって喜び、天理はがっくり膝をついた。まあ、これが青春かとも脳裏をかすめたが。明治はキャプテンでハーフ福田健太(4年)とフルバック山沢京平(2年)のコンビネーションが良いリズムを作り出したような気がする。つまり野球で言えばセカンドとセンターの縦のラインがしっかりしているとディフェンスが安定していると同じではないだろうか?
天理大の小松監督は「ファイナルに勝つ何かが足りなかった。明治は去年悔しい思いをした。我々は7年ぶりの決勝。そこに差が出た」と悔やんだが、この日のFWの平均体重は97キロ。よくがんばった。明大の田中監督は「去年は決勝戦に行って満足した。今年のチームは本気で日本一を取らないといけないと思った」再建を果たした田中監督の指導者として最も影響を受けたのが、エディー・ジョーンズ前日本代表ヘッドコーチだ。昨年2月にはイングランドを訪ね、「準備の重要性を知り、不測の事態に対応できる」ことが大切だと再確認。互いにバランスのとれた好チームで、あいたスペースにボールを動かし、仕掛けて、激しくぶつかり合う質の高い試合だった。来年以降はより分析するエンジンが多様性を持ち、AIによるデータを使った戦法が成立することだろう。
ラグビーにおけるブロックチェーン的思考は今までの組織のありようを変えていく力があり、自律・分散・
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