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Wedge REPORT

2019年3月6日

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木村正人 (きむら・まさと)

国際ジャーナリスト

在ロンドン国際ジャーナリスト。元産経新聞ロンドン支局長。米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員、慶應義塾大学法科大学院非常勤講師などを歴任し、2012年独立。近書に『欧州絶望の現場を歩く』(ウェッジ)。
 

 2017年にギリシャは、EUが中国の人権問題を非難する声明を国連人権理事会に提出するのを妨害した。ギリシャ外務省は「特定の国を名指しで非難するのはその国の人権状況の改善を実現させるわけでもなく、EUとの関係を発展させるわけでもない」と表明した。

 ピレウス港への投資が純粋なビジネスではなく、政治目的が込められていることが簡単に見て取れる。

 欧州におけるコスコの港湾投資はギリシャのほか、ベルギー・ゼーブルッヘ港(持ち株比率85%)、アントワープ港(25%)、スペイン・バレンシア港(51%)、ビルバオ港(40%)、伊ヴァード・リーグレ港(40%)、オランダ・ロッテルダム港(35%)に広がる。港湾事業会社の招商局港口控股や青島港国際がこれに続く。

 貿易は外交・安全保障の重要な基盤をなす。米国のドナルド・トランプ大統領が貿易戦争を中国やEUに仕掛ける中、アジアと欧州を結ぶ一帯一路で中欧関係の一体化を進めようという中国の深謀遠慮が働いているのは言うまでもない。

現在発売中のWedge3月号では、以下の特集を組んでいます。全国の書店や駅売店、アマゾンなどでお買い求めいただけます。
■「一帯一路」の衝撃 ルポ 中国に飲み込まれるジブチ・エジプト・ギリシャ
PART 1   中国マネーの甘い蜜に麻痺するシーレーンの要衝アフリカ・ジブチ
 1⃣鉄道、港湾、軍事基地 経済と軍事の表裏一体でジブチを飲み込む中国
 2⃣シーレーンの安全をアフリカの空と海から守る 自衛隊「海賊対処」の舞台裏
 3⃣ジブチの礎を支える日本 中国式との差別化のカギは「持続的発展」と「現地化」
 インタビュー  自衛隊がジブチで活動する意義 佐藤正久・外務副大臣
Part 2        「新首都」の建設と経済貿易協力区 水上の要衝・スエズ運河を取り囲む中国
Part 3         欧州の玄関港を"支配"する中国  「トロイの木馬」と化すギリシャ
Part 4         経済回廊でパキスタンを取り込んだ中国が抱える"ジレンマ"
Part 5     肥大化する一帯一路投資 「軌道修正」を図る中国
Part 6        「一帯一路」を「インド太平洋」で無害化

  
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◆Wedge2019年3月号より

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

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