海野素央の Love Trumps Hate

2019年11月1日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

なぜFOXではなくCNNなのか?

 テイラー代理大使はソンドランド駐欧州連合大使が、ゼレンスキー大統領にトランプ大統領と会談をしたとき、バイデン親子並びに2016年米大統領選挙における民主党全国委員会に関する調査について、「あらゆる手段を尽くす」というフレーズを使用するように勧めたと証言しています。

 加えてテイラー氏によれば、ソンドランド大使は調査を実施しないと軍事支援が保留になり、米国とウクライナの関係が「膠着状態」になると、ゼレンスキー大統領に警告を発しました。

 その結果、テイラー代理大使はゼレンスキー大統領が米CNNのインタビューに応じて、調査開始を表明することに同意したとも証言しています。これらは、ウクライナ政府に「脅し」と「圧力」をかけたことを裏づける証言とみてよいでしょう。

 周知の通り、トランプ大統領はCNNに「フェイク(偽)ニュース」のレッテルを貼り、激しく批判しています。それに対して、保守系のFOXニュースには好意的なメッセージを発信しています。にもかかわらず、なぜゼレンスキー大統領をCNNに登場させて調査開始を表明させようとしたのでしょうか。

 おそらくトランプ大統領には、CNNを観る民主党支持者及び無党派層に、バイデン親子の汚職疑惑を印象づける思惑があったのでしょう。彼らのバイデン前副大統領に対する不信感が増すことを狙ったのです。仮にそうなれば、バイデン氏は票を減します。

 もうここまでくると、一国の大統領であるゼレンスキー氏は、完全にトランプ大統領の「選挙の道具」になっているとしかいいようがありません。

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