非公開から公開へ
民主党には「ロシア疑惑」の教訓があります。下院の6委員会が約2年半かけて疑惑捜査をしましたが、決定打を打つことができませんでした。
そこで下院民主党は、外交委員会、情報委員会及び監視・政府改革委員会の3委員会においてウクライナ疑惑を巡る弾劾調査を行い、短期決戦に持ち込む構えです。下院で弾劾訴追が成立し、上院でトランプ罷免に失敗しても、短期決戦であれば、民主党には2020年11月3日の投票日までに態勢を立て直す時間があります。
現在、下院民主党は非公開の聴聞会を行い、誰が最もトランプ大統領に最大のダメージを与える証言ができるのかを見極めています。その後、公開の公聴会を開催する予定です。
米メディアによれば、テイラー代理大使、マーシャ・ヨバノビッチ前駐ウクライナ大使並びにジョン・ボルトン元大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の3人が候補に挙がっています。仮にボルトン氏が証言することになれば、公聴会はホワイトハウスに対する「政治的恨みを晴らす場」になるかもしれません。
今後、下院民主党が公聴会を通じて「世論を一気に変えることができるのか」「中西部ミシガン州やウイスコンシン州、東部ペンシルべニア州及び南部フロリダ州におけるトランプ弾劾支持率を増やすことができるのか」「民主党候補の援護射撃ができるのか」がポイントになるでしょう。
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