トランプ弾劾支持率と共和党の戦略
ロイター通信とグローバル・マーケティング・リサーチ会社イプソスによる共同世論調査(2019年11月18-19日実施)をみると、トランプ弾劾支持は46%で反対の41%を5ポイント上回っています。ただ、共和党支持層は84%がトランプ弾劾に反対しています。
次に実施される世論調査はソンドランドEU大使、ヒル元上級部長及びホームズ参事官の証言後に行われたものになります。そこでも、共和党支持層の8割以上がトランプ弾劾反対であると、たとえ下院で弾劾訴追が成立しても、上院でトランプ罷免に必要な20名以上の共和党議員の造反者が出ることは期待できないかもしれません。
では、上院共和党はどのような戦略をとるのでしょうか。短期決戦を望む民主党に対して、共和党は長期決戦に持ち込む可能性があります。米国民の関心が民主党予備選挙よりも、上院におけるトランプ弾劾裁判に集まり、そこでトランプ大統領を擁護できれば、共和党にプラスに働きます。
その上で、共和党は最大のダメージを民主党に与えるタイミングで、トランプ罷免を否決するでしょう。仮に共和党の計算通りに進めば、20年米大統領選挙における民主党の出鼻をくじくことができます。
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