2024年5月9日(木)

Wedge REPORT

2019年12月27日

「投資」に確実はない。ミドルリスクでも大ダメージを受ける可能性もある

 ここまで不動産投資に関する良い点を中心にご紹介してきましたが、もちろんリスクもあります。不動産投資のリスクは、「売却リスク」「空室リスク」の2つに分けられます。

 「売却リスク」とは、物件を売りたい時に希望の値段で売ることができないリスクです。時には買い手が見つからない、売ることさえできないというケースもあります。家賃収入が下がり売却したくてもできず、赤字だけが増えていくということも考えられます。 

 「空室リスク」は、空室が出てしまった場合に想定よりも低い収入が続くことです。物件の立地や状態次第では入居者が集まらず、結果、家賃回収ができずにローン返済に追われる生活になる可能性があります。不動産投資を始める際には、入居者が集まりやすい立地条件にあるか、家賃や設備は周辺物件に比べて妥当かなどを考えなければなりません。また、空室を出さないためにも定期的なメンテナンスが必要になってきます。

 物件購入前に不動産会社が提示してくる物件の表面利回りを安易に信じてしまうと、その後痛い目を見ることもあります。不動産会社の計算する利回りは、購入したばかりの一番良い時期の収入が30年以上続くものとして計算されている場合が多々あります。

 業者は「不動産を売ることが仕事」なので、「一番いい状態で保てること」を想定して魅力的な物件に見せてきます。しかし、よほどの目利き力や情報力がない限り「一番いい状態を保つ」ことはまず不可能でしょう。

 必ず自分で最悪の場合のシミュレーションを行い、「負動産」になってしまった場合に自身の経済力で耐えられるかを想定することも重要です。不動産投資は長期目線での投資です。必ず「自分がこの不動産を運営している」という自覚を持ち、空室リスクを防ぐ工夫を行わなければいけません。「ほったらかし」ではまず成功しません。


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