危険地帯
西部アリゾナ州からサウスカロライナ州のサンダース陣営に加わった40歳の白人男性マットさんは、選対の中では「高齢者」に属します。ソフトエンジニアのマットさんと一緒に戸別訪問をするこになり、彼のレンタカーで標的となっている有権者が住む選挙区へ向かいました。
選対から東へ5分ほど走り、ベネディクト・カレッジを通過し、さらに車で1、2分行くと、アフリカ系の低所得者が多く住む地域に入りました。この地域の子供たちが通うカーバー・リオン小学校の付近に車を止めました。
校庭ではアフリカ系の子供たちが遊んでいましたが、その中に小学校3、4年生ぐらいの白人の男の子が1人いるのを発見しました。
筆者は、なんとその男の子が、アフリカ系の男の子に地面に投げ飛ばされるのを目撃しました。その後、白人の男の子は自力で立ち上がると、1人で遊んでいました。「人種の融合は難しいのか」と思いながら、マットさんと標的の有権者の家に向かいました。
まず1軒目のアフリカ系の男性は、サンダース支持を表明しました。そこで、筆者はマットさんに「とてもいいスタートですね。打率10割だ!」と語りました。ところが、2軒目目の有権者を回ったところで、マットさんがこう話しかけてきたのです。
「モトオ、選対に戻ろう。この地域で戸別訪問をやるべきではない。隣人たちがぼくたちを見ている。ここで戸別訪問を1、2時間したら、彼らはその間に連絡を取り合うだろう。略奪にあうかもしれない。ここは地元の人間に任せるべきだ。しかも2人ではなく、4人で戸別訪問をすべきところだ」
一言で言えば、危険地帯だということです。
結局、マットさんとの戸別訪問は2軒で終了しました。この日はすでにカーソンさんと39軒の戸別訪問を実施していたので、合計41軒回りました。大抵の家が留守か、あるいは「決めかねている有権者」でした。「サンダース候補に投票する」ないし「サンダース候補に傾いている」と回答した有権者が7名で、「バイデン候補に投票する」と答えた有権者は1名でした。
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