Wedge REPORT

2020年4月27日

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 LINE上からチャット形式で医師に相談できるオンライン健康相談サービスを提供しているが、経済産業省が3月に実施した無料の健康相談窓口の支援事業に採択されたことなどから利用者数が一気に増加した。

 3月半ば以降、1日当たり少なくとも2000件以上の健康相談に対応しており、4月は月10万件を見込んでいる。相談件数の約半数は新型コロナに関するものだ。内科・小児科・産婦人科・整形外科・皮膚科・耳鼻咽喉科から相談したい医師を選択できるが、内科医への問い合わせが多い。

(LINEヘルスケア提供)

 

 4月1日時点で、1800人以上の医師にすでに登録していただいており、医師免許や専門医資格の申告、レクチャーなどの手続きが完了した医師から順にサービスを提供している。これだけの数の健康相談を受けつつも、対応できる医師にはまだバッファがある。勤務時間外の空いた時間で対応している医師が多く、医師によるサービスのクラウド化が進んでいる。

 提供しているのはあくまで健康相談であって、医療行為である診療等はできないので、ユーザーにとって完璧な手段でないことは認識している。だが、新型コロナの影響で医療機関のキャパシティの懸念が叫ばれる中、診療の前段で多数の相談を受けることで、トリアージの機能は発揮できたのではないかと思う。

 オンラインサービスは〝イベントドリブン〟であり、いざという時にあれを使おうと思いつき、それがすぐに始められるアクセシビリティが求められる。その点において、事前予約無しでスマホからすぐに医師に相談できる仕組みは価値があると思う。

 LINEヘルスケアは約28万人という、日本の約9割の医師とネットワークを持つエムスリー(港区)と、8300万人のユーザーベースを持つLINEとの合弁会社だ。今はオンライン診療の規制が厳しいが、将来的には、このネットワークを生かしてオンライン診療やオンライン服薬指導、さらには日常生活の健康管理までサービスを拡大したい。(談)

Wedge5月号では、以下の特集を組んでいます。全国の書店や駅売店、アマゾンなどでお買い求めいただけます。
■新型コロナの教訓 次なる強敵「疾病X」に備える 
Part 1        「コロナ後」の世界秩序 加速するリベラルの後退
Part 2        生かされなかった教訓 危機対応の拙(つたな)さは必然だった
Interview   「疾病X」に備えた日本版CDCの創設を急げ
Interview     外出禁止令は現行法では困難 最後の切り札は「公共の福祉」
Part 3        危機において試されるリーダーの「決断力」と「発信力」
Chronology  繰り返し人類を襲った感染症の歴史  
Column1     世界のリーダーはどう危機を発信したか?
Part 4         オンライン診療は普及するのか 遅きに失した規制緩和   
Interview     圧倒的なアクセシビリティで新型コロナによる医療崩壊を防ぐ
Column2     露呈したBCPの弱点 長期化リスクへの対策は?

  
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◆Wedge2020年5月号より

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