メーカーの基本は、商品
どんなビジネスもそうですが、肝になる部分があります。メーカーの場合は商品です。この出来が悪いと、幾ら素晴らしいプランでも次に進めません。要するに核がないのです。Groove X社のすごいところは、そこが分かっていることです。このため、最後の仕上げに一年かけています。安全に問題ない場合、多くのメーカーは販売しながら、修正していくのを選びますが、彼らはそれをしていません。時間を、手間(人手)をかけ対応、完成度を高めて出荷しました。ベンチャーで、なかなかできることではありません。
だからこそ、まだ販売台数が少ないながら、色々なところから支持されるビジネス展開ができるのではと思います。21世紀は、使い捨て脱却の時代になります。そうするには、適当な製品を世に出さないことが重要です。
ロボットベンチャーの「共創力」
iRobotの創始者、コリン・アングルの言葉に「共創力」という言葉があります。この言葉は、GROOVE Xにても共通して言えると思います。一度、LOVOTの中身見せますというメディア・イベントに参加させてもらったのですが、こんなにも開発者がいるのかと思うのと同時に、どうやって食べてるんだと心配になりました。しかし、テクノロジーが複雑になった今、ダ・ヴィンチよろしく、一人で全てするには、一生かかってもやり切れないでしょう。とくにロボットは複雑です。同じ志で進む人がいなければ、耐えられないように思います。
共創のポイントは、人事格差がないこと。逆にいうと、「共創力」は大会社では厳しい。「共創力」こそ、ベンチャーとしての強みではないかと思います。
さて、LOVOTが目指す、高齢者サポート、スマートホーム、共創先とどこを着地点とするのでしょうか? ベンチャー企業ながら、GROOVE X社の動きに注目して行きたいと思います。
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