4章: 設備補助金等、全てを控除すると
買取価格は約10円/kW時切り下がる
この30円/kW時の買取価格から、控除すべき項目が2つある。『WEDGE』2012年12月号の拙稿で指摘した、①設備投資補助金9.5億円、および②未利用材チップ価格が調達委での12000円/トン(発電所着、水分率40%)ではなく、8000円/トンであった場合だ。
これらを控除した場合の買取価格を図4に示す。設備補助金(9.5億円)を建設費(初期投資)から控除すると27円/kW時、燃料費(未利用材チップ価格)が8000円/トンの場合は24円/kW時である。両方を控除すると21円/kW時になり、調達委が査定した「32円/kW時」から、約10円/kW時切り下げられることになる。
5章: 問われる価格設定の透明性と
効率的な再エネ供給のあり方
賦課金は電気料金に加算されるので、事業者は嘘のない説明が求められるし、調達委には適切な査定が求められる。しかし、『WEDGE』12月号の拙稿(「固定価格買取制度の限界 コストは査定できるのか」)で明らかにしたように、調達委による査定は機能しなかった。
問題は多岐にわたるが、(言い値の根拠になる)提出資料の査定もあやふやでは、改善の見込みもない。最低限、査定の透明性の確保に向けて、調達委は、稼働率等の買取価格を再現するために必要な計算諸元を整理し、価格設定の根拠をエクセルシートで公開する等で、透明性の確保に全力を尽くすべきだ。