創業時の苦労は、自分たちの考え方の浸透とサービス価値を理解してもらうこと。そこでビー・スタイルが考案したのが業務分析ツールの「COMPASS」だ。企業の採用担当者に99問のアンケート(所要時間20分程度)に回答してもらうだけで、パート活用ポジションを発見する。しかもフルタイム派遣をパート派遣に切り替えることで3割のコスト削減を可能にするという。ビジネスモデル特許を取得した自慢の営業ツールだ。
「一般的に企業は消費者として主婦層をみますが、労働力というとらえ方は少ないのが現実です」と広報の金子絵里香さんは現状を説明する。これは企業だけのことではなく、日本社会での傾向といえるだろう。その固定概念を破ることが、まだまだ続く同社の取り組みになる。
現在、営業拠点は東京と大阪で、主婦を中心とした派遣登録者数は63000人。年齢は35歳が中心という。これらの登録者の期待に応えるためには、潜在的にある企業の人材不足や、「主婦=優秀な労働力」という気づきをあたえること。そのためには、企業への浸透を担う社員たちの営業スキルや人間的魅力を向上させることが重要な要素になる。
直近の過去、身近な未来を話し合う場
そこで開始したのが「フォーラム」活動。所属、年齢、入社年次、性別など、できるだけバラバラになるよう人事部がチーム編成を組み、一チーム6~7人で7チームに社員(契約社員を含む)を分け1年間にわたり同じメンバーで運営する。各チームにはリーダー役となるモデレーターを置き、2カ月に1回、2時間の活動を行う。
モデレーターはフォーラムの推進役であり、チームの発展に責任を負うことが義務付けられている。そのためモデレーター研修と役員が講師をつとめる研修に参加し、意識付けなどが事前に徹底される念の入れようだ。「単なる雑談になってしまっては意味がありません。業務の一環として実施する人材育成の場ですから中心者を置き、キチンとした共有の場に修正しながら進めていくことが大切です」というのは人事・総務ユニットの岡崎愛子リーダー。
フォーラムの内容は、会議室に集まり各自が事前に書き込んできたシートを発表し合う。アップデートシートには、過去60日間の最高のこと、最悪のこと、今後60日間に期待すること不安なこと(悩んでいること)。さらに、それぞれの項目について仕事上のこと、個人のことの2パターンを記入する。